30/153
帰宅
日常の一コマ、かな?
ゆっくり音を起てないように
扉を閉めてそっと一言
「ただいま」
って言ってみるけど
返ってくるはずもない
しんと静まり返った廊下を
ゆっくりゆっくり歩いて部屋へ
荷物を下ろして服を着替えて
そっと寝室の扉を開ける
眠りについてる家族を見つめ
も一度そっと呟いてみる
「ただいま」
「お帰りなさい、お疲れ様」
返ってくるはずのない言葉が
小さな声で返ってくると
布団の中から小さく手を振る
君の姿を見つける
「起こしちゃった?」
「たまたま起きてた
ご飯、明日の分もあるから
分けて冷蔵庫にお願いします」
「わかった、了解
おやすみなさい」
「おやすみなさい…」
たったそれだけの事だけど
さっきまであった寂しさが
いつの間にか無くなっていた
とりあえずまずは
おかずを取り分け
ご飯を食べるとしようかな
最後までお読みいただきありがとうございます