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忘れな草に捧ぐ詩
時は忘れたくないものまで奪っていく
覚えていたいと思うことは罪ですか?
私の中のあの人を
時の流れで寄せる波が
少し少し 削ってく
あの時あなたが言った言葉も
今ははっきり思い出せない
ただあなたを想う気持ちが
今でも胸に燻りつづける
大好きだった笑い顔
あなたの囁く甘い声
触れ合っていた温もりも
時は確実に奪ってく
もうあなたには会えないのだから
せめてあなたの思い出ぐらいは
色あせないまま覚えてたいのに
どうしてそんなことさえも
私に許してくれないの?
記憶に留めることでさえ
信じることが出来なかった
私に対する罰なのですか?
それならせめてあの人が
私の胸に残していった
小さな小さな温もりだけは
点したままでいてください
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