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尾のない箒星の船
青い空に箒星が二つ
天を突くように舞っていた
一定の距離を保ちながら
きらりと閃いて
彼方の空へとゆったりと飛んでいく
尾を引かぬ箒星たちは
空飛ぶ双子の船だった
共に南の太陽目指して
雲の波間をくぐり抜け
丸い帆先で波を切り分け
青い海を飛んでいく
幾つの夢を乗せたんだろう
尾のない箒星の船
どこに夢を届けるのだろう
尾のない箒星の船
眺めてる内に船は彼方へ
小さくなって
やがては消えた
僕も願えばよかっただろうか
尾のない箒星の船に
下から見ると近くに見えても
実際にはとても離れた場所を飛んでるのだろう




