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プレゼント
それは正しく贈り物
いつもと違って
どこか嬉しそうに見える君
何があったの?
って聞いても
内緒
の一言だけ
その弾んだ声が羨ましくて
そ、良かったね
と素っ気なく返してみる
視線をそらし、
気のない素振りで
ソファに座る
拗ねてるようで子供みたいかな
そう思っていると
不意に背後から君の温もり
首元に腕を回して
ぎゅっと抱きついた君は
耳に息がかかるほどの距離まで
唇を寄せる
これからもよろしくね
お父さん
反射的に振り返ろうとした僕の身体を
君はぎゅっと抱きしめ抑える
僕の頬に君の頬の温もりが伝わり
その頬に温かな何かが伝わり落ちる
ありがと
振り向く代わりにそっと一言
傍にいてくれて
傍に来てくれて
ありがと
最後までお読みいただきありがとうございます
これからが大変なのですが(特にお母さん)
それでも、望まれて得られたのなら
何よりも嬉しい瞬間




