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無償の愛などはなく
僕の事を見つけると
大きな瞳をもっと見開いて
そこに映るきらきらが零れ落ちそうな程になって
その顔には満面の笑みを浮かべ
危なげな足どりで走り寄ってくる君
大きく口を開いて
一生懸命僕を呼びながら
何の疑いも無く
僕の腕の中に身を預け
ぎゅっと抱きしめてくる様が愛おしく
その温もりごと全部を包み込む
この笑顔を守りたいって思う
君がこうして無邪気に笑っていられる日々を
君が健やかに成長していく日々を
その日々を君が笑顔で過ごせるのなら
それが僕の幸せだから
返しきれない多くのものを
もらっているから




