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秋風に小夜更けて

秋風に吹きさらされる石の壁

(つた)が絡まり葉に覆われて

過ぎ去った時を伝えている


外側だけが残されて

内側にあった生活は

今や風の向こう側へ


過ごした日々も

重ねた歴史も

遺された石に刻まれ

思いと想いは

風と共に

流れては消える


揺れる草葉が

生きていたもののその証

人の様を

灯る光を

思わせて


ただ一人の異邦人は

時の傍観者として

秋風に吹きさらされる


時の(つた)に絡め取られ

舞う言の葉に酔わされて

在りし日々の夢を追うことは

どれほど時を過ぎても変わらず


自分もまた

いつかは風の向こう側で

生きていくのかと

流れゆく大河の小さな一滴を思う

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― 新着の感想 ―
[良い点]  静と動、冷と温、残るものと散りゆくもの。  真逆のような石壁と蔦なのに、揃うとまた別の物寂しさを感じられるような気がします。 [一言]  今はあまり見ませんが。昔は壁面に蔦が這う古い建物…
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