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変わり映えばかりする日常の中で
明け方の空を眺めていると
白くて黒い影が横切る
規則的に伸びて縮んでするそれは
やがて小さく消えていく
昼の陽射しを睨んでみると
虹が円を描いている
降り注ぐ熱は変わらなくても
何かが包まれ和らいでいく
夕暮れの空に星一つ
強く瞬きここだよと言う
時折姿を消すやつがいて
擬態に騙され苦笑する
夜の空をじっと眺めて
白いほうき星を探してみる
夢を見ないのに「願いよ叶え」とか
それこそ夢物語なんだろう
日々零れ落ちて拾い上げていく
代わり映えのない千変万化
同じ場所をぐるぐると
彷徨い歩く螺旋階段
見たことのない景色の中に
あの日の記憶を探してみたり
また見た景色と感じているのに
知らない何かを探しだしてる
明け方の空を眺めていると
白くて黒い影が横切る
独りでどこへ行こうというのか
だからどこへも行けるというのか




