心はきっと胸の奥にある
辛いことを耐える時
胸の奥 みぞおちの辺りをぐっと押し込められる
切なさに変わると
ぎゅっと握りつぶされそうになって
時には肺も喉も締め付けられる
悲しみに襲われる時
全身の血流が心の臓に隠れてしまって
血を失った手足はしびれて
頭は何も考えられず
心はいっぱいいっぱいになって破裂しそうになる
苛立ちを感じた時
悲しみとは反対に
全身の血流が心の臓から飛び出してきて
身体中が熱くなる
空気が温められると膨張して軽くなり
上昇気流が起きるように
身体の中でも上昇気流が起きているのか
熱くなった血はすべてが脳に上りつめて赤くなる
面白さが弾けた時
胸の奥は空っぽになる気がする
身体や頭の内側にある溜め込んできたいろんなものが
笑ったり叫んだりした声と一緒に飛び出してくのか
全部全部空っぽになってる
愛しさが溢れた時
胸の奥が温かくなる
苛立ちの時のような熱ではなくて温かさ
流れだすんじゃなくて滲み出す感じ
包まれてるような染み渡るような
上昇気流の激しさはなく
ふわりと雲が浮かぶ感じで
心も頭も身体全部が羽が生えたように浮かんでる
人の感情は脳が考えて伝えた電気信号なのかもしれない
けれどそれでも「心」が胸に宿ってるってそう思えるのは
何かを感じたそのときに胸の奥で何かを感じるからかもしれない
痛みも冷たさも
心地よさも温もりも
みんな一つなんだ




