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朝もや
朝もやの中
登りはじめた日の光が
うっすらと部屋に差し込んでくる
空は雲ひとつなく
憎らしいほど蒼い
起き上がらなきゃ
そう思っても
体は少しも動かない
どうしてあんなこと言ったんだろう
思い返せば
勘違いだったかもしれない
けれど、昨日は疲れていたし
仕事のストレスでイライラしていて
気がついたら声に出してた
私らしくない…
それが尚更憂鬱にする
どんな顔して会えばいいのか
無表情な面でも被るか?
いろいろぐるぐる思考は巡るが
巡るばかりで出口が見えない
りん
思考の底無し沼に沈みかけた頃
聞き慣れた着信音が
意識を表に引き戻す
携帯画面には
いつもと変わらぬ朝のメール
気軽な
気楽な
気取らない文面
悩んだ私は何だったのか
大きなため息一つ吐いて
不意に「待てよ」と改まる
気遣ってくれてる?
いやいや、ないない
頭を振って否定するが
顔が熱くなるのは止められず
生意気な
と悪態をついて
自分の心をごまかしてみる
気付けばもやは晴れていた
今日も一日、頑張るか




