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優しい時間
木枯らしの吹く中
着飾ってたはずの
木の葉の服を失って
肌寒そうな木々の合間を
あなたと二人腕を組み
目的もなくただ歩く
空から注ぐ柔らかな陽射しも
とっても暖かいけれど
あなたがくれるその温もりには
きっとほんの少し敵わない
私を優しく包み込む
なんでもない日の
なんでもない時間
あなたが一緒にいるだけで
私にはそれが大切な時間
穏やかに流れるこの時が
いつまでも続けばいいのにと
あなたの肩にもたれ掛かり
あなたをたくさん感じながら
この優しい時間にお願いをした
お願いはきっと受け取れないけど
代わりに明日もまた来てね
木の葉を散らす木々たちがそっと
呟いたとか呟いてないとか




