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聖女の魔法はお尻から出るのです ~ ごぞんじ無いのかしら?

作者: やすみたい

リリカルレイン王国王都の背後にそびえる聖なる霊峰ミストジェダイ、その麓に白く輝く白亜の大理石の壮麗な大神殿が近隣を睥睨(ヘイゲイ)している、むしろ王都の宮殿より大きくて目立つほどだ。


その正門の前に立つのは苛烈な試練を乗り越え選ばれた次期聖女、これから聖女様の最後の面接を受け聖女の秘蹟(ヒセキ)を授けられる、その後で神具継承と聖刻受容の儀式が彼女を待っている。


そこで心持ち両足を開いて仁王立ちしているのはマリーレイン=ファン=ルシタニア公爵家の長女で次期聖女その人だ。


髪は腰まで伸ばした緩やに波打つ美しいブロンド、整い繊細だが少し日に焼けて健康そうな美貌に青く煌めく瞳をしている、僅かにツリ目で気が強そうに見えたが見るものによっては可愛らしく見えた。


そして両手を腰に当てて哄笑した。


「おほほほ、鈍くさいお花畑共を蹴散らしてやっとここまで辿り着いたわ!」

聖女とは思えぬセリフが彼女の口から出てくる。


「マリーレイン様なにか?」

神殿付きの女官が怪訝な顔をしてこちらを見ている、こいつ何を言っているんだと顔に書いてある。


「うふん何でもありませんことよ?」



おほほほ、遂に頂点に登りつめてやったわ!!


リリカルレイン王国はミスト教と呼ばれる一神教を国教としている、神の名は光の女神ミストアライア様で六枚の銀翼の翼を持つ正義と愛と戦いの女神様なの。

神殿は世俗的な力も強く広大な神殿領をもち神殿戦士団をかかえ不課税特権を持ち小国並みの力を持っていますのよ、おまけに聖女は正妃を兼ねる事すらあったのよ。

大貴族から正妃が選ばれる事の方が多いけど、聖女から正妃になった場合には国王並の権威を持つ事になる存在でしてよ。


国王陛下は聖女を我が国の英雄王子様と結婚させるつもりらしいわ。

でも聖女カトレア様は殿下と年齢が合わない、それに陛下と殿下は神殿や聖女様とはあまり関係が良くないらしと聞くわね。

だから聖女カトレア様に引退の圧力をかけているとか。


そして話題の英雄王子様は今一番の優良物件、超美形だし国のいや世界の危機を優秀な側近の方々の協力で何度も打ち払ったのよ。

皆様学業の成績も優秀で魔法の才能も天才的なのですわ。



さてさっそく高貴な方々の素晴らしい実績を並べてみますわね。


一昨年は世界級災害『ゴブリン・ワールド・エンペラー』の大軍団に立ち向かい、近衛騎士団の精鋭を率いられ、知恵と機転と戦略眼でみごとそれを打ち破ったのよ。

一騎当千の闘いぶりだったそうね。


そして今年は狂った魔導師達が古代魔法帝国の浮遊大陸パンゲアを復活させた事件が起きたわ、浮遊大陸を使って世界各地で破壊を撒き散らしたの。

だけど英雄王子達が立ち上がり浮遊大陸パンゲアに乗り込みそれを止めて海に沈めたのよ。

吟遊詩人達の流行りの歌になっていますのよ、王都の劇場でも劇が上演され大人気なんですの。


だから有力貴族はこの優良物件を抑える為に、年頃の令嬢を次の聖女にしようと躍起になっていたのよ。

でも聖女になるには流石に神聖魔法の素質がないとだめ、ここはミスト教会も譲らなかったみたいだわ。

まあこれはお父様の受け売りですのよ、おほほほ。

もちろん私には神聖魔法の素質がありますの、お母様は昔の聖女様の血を引いているそうよ。



最終的に三人の聖女候補が残ったけど、すべて私の頭脳で見事に蹴落としてやりましたわ。


最初はミリアム=バークシュタイン伯爵令嬢様、美しく上品で魔法の力も強力で神聖魔法の素質も高いお方。

でもこの御方には秘密がお有りでした。


ええルシタニア家の諜報部が探り当てたとっておきの秘密でしてよ。

ミリアム様は禁断の性癖をお持ちでした、密やかな恋にお気に入りの美しいメイドと耽溺されていたのです。


このスキャンダルを社交界に流そうと思いましたが、ふとバークシュタイン家のメイドの姿絵がなぜか気になりましたの。

そのメイドは私の専属メイドの一人に瓜二つでした、むしろ私のメイドの方がもっと美しいさすが公爵家ね。


そこで密かにバークシュタイン伯爵に自然な形に情報が流れる様にしましたの、そのメイドはしばらく後で姿を消しました。


そして私は専属メイドを一度解雇して変装させてバークシュタイン伯爵家に送り込んだのよ、彼女は私のお気に入りだと思われていたから皆様驚いたみたいね。


でもあの娘が私を見る目に妙に熱があって粘り気があるのに前から気づいておりましたわ。

お風呂で清める手付きから妖しいのよ、実はあの娘も禁断の性癖の持ち主だったわけ、私が好みのタイプだったと後からわかりましたの、あのままだといろいろ危機感を感じていたし厄介払いになったわね。


そして見事に二人は駆け落ちいたしました、遠い異国で今は幸せに暮らしているらしいわ、私が愛の逃避行を後押ししたのですもの。


お幸せにミリアム様




さてお二人目はオレリア=キャロル=アランブール侯爵令嬢様でした、ええ過去形なのはお家から勘当されてしまったからですわ。

オレリア様も高い神聖魔法の素質がお有りでしたわ、私と同じ様に聖女様の血を引いていますの。

聖女のお勤めを終えると30歳になってしまいますが、強力な神聖魔法の素質がお有りなので、引退後に高位貴族の後妻となられる方もいらしたのよ。


それはさておき、オレリア様も現役聖女として王太子様のお妃を目指すだけあって、いろいろハイスペックなお方でした。


私はまた彼女の弱みを握るべく公爵家の密偵部隊を駆使してオレリア様を洗いました、その結果またあの御方の特殊なご趣味を探り当てる事に成功いたしました、さすが我が家の諜報部ですわね。


オレリア様は裏の出版界で大作家の地位を築いていらっしゃいました、ロイヤルローズ=バレンタインと言うペンネームで活動していたのよ。

表の世界の大御所が裏で活躍する事は今までも有りました、でもオレリア様はまた一味違っておられました。


あの御方は殿方同士の禁断の愛を描く世界で大作家として金字塔を築いていたのよ、私にはよくわかりませんし他人の趣味には興味はないけど利用できる物は利用しますの。


そしてこの調査の過程で思わぬ発見がありました。


それは私の駄メイドの一人がロイヤルローズの大ファンで神の様に崇めておりました、その上この世界で新進気鋭の作家として売り出し中だったのよ。

いつも眠そうな粗忽メイドだと思っていましたがそんな副業を持っていたなんて、副業のせいでメイド業をおろそかにしていたのなら許せませんわ。

私はその駄メイドを問い詰め総て吐かせました、そしてその世界のアドバイザーにしたのよ。


彼女はリアルな殿方同士の恋愛にはあまり興味が無いようなの、それには私少し驚きましたわ。

そうね我が国にはビーエル神聖隊と言う騎士団があります、ここは殿方同士のパートナーだけが入隊を許可されるの、むしろ公式に認められる唯一の方法ですわ。


この部隊の強さは近隣に鳴り響いておりますのよ、でも彼女は否定もしませんがあまり興味をしめしませんの。

飽くまでも創作の中の世界に感心があるみたいで私にはそう思えましたわ。

古代のベーテ王国の似たような部隊を題材にしているのに不思議ですわね。


それはそうと腐メイドと協力関係を築きました、そして腐メイドをアランブール侯爵家に潜り込ませたの、公爵家の推薦では怪しまれますからいろいろ工夫しましたわ。


それから二人は意気投合した様です、腐メイドから熱烈な感謝の手紙がきました。

あの二人は今創作の旅に出ていますの、聖女や王妃よりずっと創造的で楽しい人生を送っています、それ以来二人の作家としての名声は裏の出版界でどす黒く燃える太陽の様にギラギラと輝いているそうですわ。

公爵家の諜報部の者が教えてくれましたのよ。


今も世界のどこかで一人の貴腐人と忠実な腐メイドとして創作の旅を続けていることでしょう。



お幸せにオレリア様




さて長々と回想しているうちに神殿の門をくぐってしまいましたわ。


聖女継承の本儀式の前にまずは聖女カトレア様からの伝承の儀がまっています、次期聖女たる私を先頭に聖女様の礼拝堂に向かいますの。


ここでまず聖女の秘儀を伝授されますの、伝えられた秘儀は生涯門外不出とされ、この儀式以降は聖女を辞退する事は許されない決まりです。


今代の聖女カトレア様は年齢的な問題はなくまだ20代半ば、聖女の引退までまだ数年ある、陛下が王太子の正妃に聖女をあてる為に政治的に聖女の交代を急がせたと噂されていたわね。

カトレア様は神殿内部では大聖女として高く評価されているのに王室とは上手くいって無いらしいわ。

もしかしたらカトレア様がそれに不満を感じているかもしれません、嫌味を言われるぐらいは覚悟しないと。


古びたそれでいて荘厳な古式ゆかしきミスト教の小礼拝堂の前に到着しました、でもそこから中に入れるのは聖女カトレア様と次期聖女このマリーレインのみ。


心を落ち着かせて堂々と入るのよこれが栄光への第一歩なのよ、ここから出る時私は聖女にして未来の王妃様なのよ。


私の背後で扉がゆっくりと閉じられた。





「良く来てくださいましたわマリーレイン様!」

聖女カトレア様は走るように私に向かって来ます、その御姿に目を奪われましたわ、清楚で知的なお顔なのに、そのお体はわかりやすく言いますとボッキュンボンです。


そんな聖女カトレア様は満面の笑みを浮かべて私を迎えてくれました。


何かしら?この目は本気で聖女の引き継ぎを喜んでいる?演技だとしたら曲者だわね。


「聖女カトレア様、はじめまして次期聖女マリーレイン=ファン=ルシタニアでございます」


次期聖女と自称するのは問題になりかねないけどカトレア様は気にもされません。


「マリーレイン様、聖女は代々聖女の秘蹟を次代に伝えてきました、そしてこれは聖女から直接伝授されますの、万が一に備えて大神殿の大秘儀書に記録されていますけどね、ですがこれを知った者は後戻りできません貴女にはその覚悟がありますか?」


それは知っているけど中身は知らないわ、さっさと終わりにしたいわね。


「はい聖女を目指したその時から覚悟はできておりますわ」

「では契約の魔法をかけますがよろしいかしら、もう後戻りはできませんよ?」

「聖女カトレア様よろしくお願いしますわ!!」

カトレアは感極まったようにマリーレインの手をとった。


「新しき聖女の誕生を心の底から祝福いたします、これから私が最後に聖女としてのお勤めをはたします、この後の本儀式で貴女に総ての力が継承されますのよ」

そしてカトレアの目から雫が落ちた。


「これで最後なのね」


でも悲しんでいる感じじゃないわね、どこか清々したそんな感じすらします。

マリーレインの心の片隅に暗雲が湧き始めていた。



カトレア様が契約の神聖魔法を発動させました、彼女の背中から神気が放出された、これは女神を証人とした契約魔法で本儀式が終わるまでの間に知った事を一生語る事は不可能となる。


神聖魔法の力が私を包み込んだ。


さすがねこれが現役聖女の力ね、でももうすぐ私が総て手にいれるのよ。


「契約は結ばれました、さあよく目に焼き付けておきなさいマリーレイン様これが聖女が背負う運命なのよ!!」


聖女の礼拝所の北側は壁がなく大きく開放されていました、その向こうに見える霊峰ミストジェダイの美しい円錐形の山体に向かってカトレア様は拝跪します。


そして立ち上がるとくるりと反転、聖女の膝上までしかないスカートを大胆に託し上げると彼女の下着と美しい白い足がまる出しになったけど。


えっ?なに!?


そして真っ直ぐ立つと両腕が床に付くまで腰を曲げる。


「えっ、カトレア様何を!?」



神聖で峻厳なる神気が礼拝堂に満ち溢れた、カトレアの下着にミスト教のシンボルすなわち銀翼の女神の紋章が浮かび上がる。

その紋章が白銀に輝くと辺りが白一色に埋め尽くされた。


僅かな空気の振動とともに視界が晴れわたります、白銀の光が聖女カトレア様のお尻からまっすぐ霊峰ミストジェダイの山頂に向かって伸びていた。


これはなんなの?神殿からお山に伸びる光線って聖女様のお尻からでていたのかしら?かしら!?


「今のは神聖魔法の一つ『聖女の御神渡りの光』ですわ、神聖魔法は聖女のお尻から出るのですよ」


へっ?神聖魔法は聖女のお尻から出る?


御神渡りの光とは神殿からミストジェダイの山頂に光の橋がかかりそこを女神様がお渡りに成ると言われる聖女のお勤めの一つだ、定められた日に朝夕行われる決まりになっていた。

あの光がまさか聖女様のお尻から出ていたなんて。


「魔王すら倒せる御業もありますの、究極神撃滅犠怒光線砲と言うのよ、古代魔法帝国パンゲアの浮遊大陸を討伐した事があるわ、神力を限界までチャージして最後に技の名前を叫ばなければならないけどね、天空の敵を狙うあの姿勢と恥辱一生忘れられないわ、でもすぐに貴女も使える様になりますのね、うふふ」


今とんでもない事を言っているわね、狂人が復活させた魔法帝国の浮遊大陸を墜したの実は貴女でしたか。


「ゴブリン300万の大軍団を焼き尽くした時の恥ずかしさ貴女にわかるかしら?山の上に立って右から左にお尻を振って地平線にいる敵を薙ぎ払ったのよ、

衝撃波が世界を三周したらしいわ、あはははお尻からビーム!!お尻からビームなのよ!?ふふふふ」


その事件もカトレア様が解決したのですか?


まってそれ全部英雄王子の活躍じゃあなかったんかーい!!

契約のせいで誰にも話せないじゃないのあのマジ無能王子にクソ陛下!!

にしてもヤバすぎません聖女って。


「今まで誰にも言えなかったけど貴方なら問題ないのよ契約しましたからね、ねえ頭の良い貴女ならわかるでしょ?秘密にしないとなり手がいないからよ、陛下から引退を要請されましたが私にとって渡りに船、これで聖女の責務から解放されるわ」


「ひっ」


「マリーレイン様、後は本儀式で聖女の聖刻を授けられ、神具の授与式を経ましたら神聖魔法108の御業が使える様になりますわ、ふふ全部お尻からでるのよすごいでしょ?うふふふ、おほほほ、ひひひひ」

聖女カトレア様の瞳には狂気の炎が燃え上がっていましてよ!!


「さあ貴女も一緒に叫びましょう!究極神撃滅犠怒光線砲!究極神撃滅犠怒光線砲!!発射!!!」

カトレア様が掴みかかる勢いで向かってくる。


「いやぁああぁあぁあああーーーーー」


いやいやいや、恥ずかしすぎるし逃げる、私は礼拝堂の出口に向かって走った、私だって貴族界では有数の魔法の使い手なのよ魔法の力で空を飛んで逃げる。

だが見えない壁にぶつかり先に進めない、目の前にミストジェダイのお山が見えるのに、そうだ危険だけど転移よ!!


あれ転移が発動しない?



背後で神気が溢れた。

「私もそこから逃げようとしたのよ懐かしいわね…ご存知なかったのかしら?大聖女からは逃げられない」


恐ろしいセリフに硬直し後ろを振り向く首がギチギチ鳴りそう、聖女カトレア様が背中をこちらに向けている、そしてスカートの両端をつまんで大きくたくし上げた。


「聖女の背中を見たら覚悟することね」


カトレア様が少し腰を落としてお尻を突き出すと白い下着が白銀の閃光を放ち光の網が目の前に広がったのです。


「ひいっ!!」


決して切れる事のない神界の網に絡みとられた私は体が動かない、魔力がどんどん網に吸われていくじゃあありませんの。


「逃がすものですか!これが『天廊光輝の捕縛網』こんな恥ずかしい目にあったんだもの自分だけなんて許せない、こうやって代々聖女の秘蹟は受け継がれてきたのよ」


薄れく意識の中でああはなりたくはないと涙をこぼした、泣くなんて何年ぶりかしら。


「手柄を奪われても黙っていたのはさっさと聖女を辞めたかったからなの、おめでとうマリーレイン様、新しい聖女様ばんざ~~~い、おーほほほほほほほほ、あーははははははは!!」


聖女カトレアの哄笑を子守唄に私は目を閉じたのですわ。







そして月日が流れた・・・







街が村が紅蓮の炎を上げて燃え上がる、空を黒煙が覆い昼間なのに黄昏時の様に暗い、辺土のような大地を巨大なカニのような化け物共が何体も我が物顔で徘徊している、二本の触覚状の目が光ると光線が放たれ破壊が広がっていく。

人々はその光をいつしかカニ光線と呼ぶようになった。


地底人の侵略を退けたと思ったらまた新たなる敵がくるなんてね。


聖女マリーレインは目を閉じた、半年前の予知夢でこの日が来るのを知っていたけど結局間に合わなかった。


予知夢で観たのは宇宙を押し渡り迫りくる光の洪水の様な大艦隊の映像だった。

600年前の不吉な新星の誕生を王国の歴史書は書き残している、その時生まれたカニ星雲の爆発が彼らの故郷を破壊した。

宇宙を押し渡り来る光の洪水、そのたった一つがリリカルレイン王国を滅ぼす力を秘めている。

そしてその光の海の奥にまだ何かが潜んでいた。



そしてしばらく前から奴らは姿を現した、最初は数えるほど、だがしだいに数を増やして行く。

一体でも人が戦うには困難だがそれでも戦う術がないわけではない、だがあの数が押し寄せてきたら人類に戦う術はないだろう。


女神ミストアライアの聖女の最大最強の一撃で一気に葬るしかないと決めている、その僅かな機会を必ず捉えるそれが勝利への僅かな可能性。


カニ星人先遣隊はリリカルレイン王国の王都に侵攻を始めていた、王国軍は絶望的な抵抗を繰り広げている、だが聖女は動かないいや動けなかったあの敵は単なる先触れに過ぎない。


神殿の表が突然騒がしくなると騎馬伝令が神殿に駆け込んでくる。

「伝令!!伝令!!マリーレイン様!!脱出しようとした王子殿下とお取り巻きの方々がカニ光線を浴びて骨になりました!!」

「なんですって!!また死んだのですか?骨を拾っておきなさいあとで何とかしますわ」


まったくあのクソゴミ雑魚王子共め邪魔するだけで何の役に立たない、落ち着くまでは骨のままでいいわね、無能な働き者より何もしない遺骨の方がましだわ。

馬鹿王子が率いていた近衛騎士団は農民に変装してとっくの昔に逃げ出した、カニ星人相手に変装しても意味ないから味方の眼をごまかすためよね絶対、暴行奪略で平民に迷惑をかけているみたいだから終わったら私が征伐するか。


伝令は攻撃が降り注ぐ中王城に向かってかけ戻っていく。

危ないわねあの人死ななければいいけど。


兵士たちは王都の廃墟に潜み塹壕に隠れカニ星人を迎え撃とうとしていた、黒色火薬を詰めたキャンサーファウストと名付けられた原始的な無反動砲を抱えながら敵が来るその時をまっていた。


あの武器は大魔導師マリリン様が見つけたカニ星人の甲羅の弱点を突く唯一の武器なのよ、並の人間の槍や剣ではカニ星人を傷つける事ができません、マリリン効果でカニの甲羅に穴をあける事ができる。

でもこれを使うのは命がけカニ星人に近づかなければならないのですから。



神殿から王都が見下ろせる、私の心に王都の戦いの状況が伝わってきます。


敵の侵攻を遅滞させるんだ・・・ミスト川の堤防を切れ・・敵襲!敵襲!!

マリーレイン武装親衛隊を下がらせろ・・・なに我々に後退はないだと!?

スパルタニアン義勇軍から・・もっと敵を送れと伝令が!!


スパルタ王国の義勇兵は人間離れして強いですわ、たった300人で敵を何度も退けていますわ。


・・・ホワァオ・ホワァオ・・アッラララララーイ!!


凄いわ盾と槍でカニ星人を押し込んでいるわ!!



眼下で悲鳴の様な叫びが上がる。


・・・ビーエル神聖隊全員討ち死に!!


ビーエル神聖隊が全滅ですか・・・我が国最強の兵団が・・よく戦ってくれましたわね兄貴の皆様ありがとうございます。


戦線を突破されたぞーー!!

国民擲弾兵!前進!!・・いいか俺たちに後退する場所は無いぞ、これは祖国いや人類の為の闘いだ!!


ついに義勇軍が戦場に投入されたわ、みんなキャンサーファウストを抱えて進んでいく、彼らはろくに訓練もされてない王国民なのよ、眼下から戦場の喧騒が聞こえてくるだがそれを歯をくしばって耐えるしかない。


隣りにいた神官が戦いに煙る市街地のある一点をゆびさした。


「聖女様あの光は何でしょう」


彼が指さすその先に青、赤、緑、白の光が細かく揺れています、でも私にはそれが何かすぐにわかりました。


「あれはサイリウムの光ですわ!!」


マリーレイン武装親衛隊が最後のお別れを告げています、ああ光が少しずつ消えていく。

私は嗚咽をもらすともう我慢ができなくて泣き崩れてしまいました。


ああ平和な時代ならただのマリーレイン親衛隊だったのよ、皆んな最後に私の歌を聞いてもらいたかった・・・


ごめんなさいみんな、ごめんなさい、そしてありがとう。







「聖女様!!ごらんくださいあれを!!」

神殿付きの女官が天を指差している彼女の声が恐怖で震えている。


私も空を見上げる、天を埋め尽くす侵略者の大艦隊が迫りつつあった、無数の光の点が空を埋め尽くしている、あの一つ一つが王城よりも大きいのよ。


「ついに本隊が来たわね!この時この瞬間を待っていたのよ!!お前たちは全員シェルターに避難しなさい!!巻き込まれますわよ」

ちなみにシェルターも私が準備させたのよ、馬鹿王子が邪魔しなければもっと増やせたのに、あいつらの骨だけど海に散骨してしまおうかしら?


「聖女様ご無事で!!」

巫女や神官達がシェルターに向かってかけ去っていく。



霊峰ミストジェダイが私の決戦の場になる。

一度霊峰を拝跪してから神殿にむき直ります。


神聖魔法を発動『頑健なる淑女』で全身が女神の頑健の祝福で満たされ『聖女の剛力』の祝福がミスリルの甲冑を素手で引き裂く力を与えてくれる。

そしてスカートをはだけると霊峰ミストジェダイに狙いを定めた。


最初は泣きながら橋をかけたけどもう何も感じないわ、神聖魔法を使う度に私は泣いていたけどいつからかしら泣かなくなったのって?

だが僅かな気の迷いを払った今は戦いに専念しなくてはね。


そして『聖女の御神渡りの光』を山頂にかける。

でもこの橋を渡るのは女神様ではないこの私よ、そして次の手順に移ります神聖魔法で時空間に干渉し収束し歪めますの。


私は停滞した時の中で光の橋に飛び乗ると聖なる山の頂きに向かって光の橋の上を走る、しだいにお尻で歪んだ時空の歪みが解放されていく。


それとともに時が動き始めた。


今よ!点火!!


私の背後で大気を構成する物質が対消滅して爆発した、だが神具はそれを総て反射し運動エネルギーに変える。

断続的に発生する対消滅爆発が強烈な光の瀑布を生み出し、聖女を衛星軌道までリフト可能な膨大な光のエネルギーが私を強く押し上げて加速させた、私は光と一体となり光の矢となって霊峰ミストジェダイの山頂に駆け上る。



神殿から霊峰ミストジェダイ山頂へ轟音と共に駆け上る光の矢は遥か彼方からでも見ることができた。

廃墟の片隅で絶望に呻吟する人々、餓えと恐怖と絶望でへたり込む難民たち、カニ星人と絶望的な闘いを繰り広げる騎士達兵士達の目にもその光は届いた。


「あれはあの光は聖女様だ!聖女様が征く!!」

「聖女様御出陣!聖女様御出陣!!ついにお動きになったぞ!!!」

「マリーレイン様!!マリーレイン様!!我らの希望!!我らが大聖女様!!」

それは追い詰められた人類最後の希望の輝き。



私は山頂に立ち敵艦隊を睨みつける。

そして敵艦隊に背を向けます、騎士ならば敵に背を向ける事は卑怯者の例えだけど聖女にとってはまさしく宣戦布告。


「聖女の背中を見たら覚悟することね」


聖女カトレアのセリフだけど一度言ってみたかったのよ。

子供のころはミスト教の聖女のスカートが妙に短いと思っていたけど実はちゃんとした理由があったのよね、知らない方が良い事もあるって学んだわ。



手を伸ばしスカートをたくしあげて上半身を前に倒した。


敵が上方だけど私はけっして膝をつかないと決めている。

足をまっすぐ伸ばし天にお尻を向ける。

神力の全解放と共に洪水の様に神気が溢れ出す、神具『銀翼の女神のパンティー』が白銀に煌めき始めた。

さらに神力を限界を越えてチャージしていく。


敵艦隊は山頂の異常なエネルギーを察知したのか、全艦隊が艦砲射撃の集中砲火を山頂に叩き込んで来た。


だがまだチャージは終わっていない。


神具から六枚の銀翼の女神のエンブレムが浮かびあがる、マリーレインを守るかのように浮き上がり六枚の女神の翼を展開した。

これこそ神具の力『聖乙女の絶対領域』それが突き刺さる数十万本の光の槍を総て吸収し亜空間にそのままそっくり廃棄した。



チャージ完了反撃よ!!



全天を走査するように神の御業で薙ぎ払います!!


「行きますわよ!!究極神撃滅犠怒光線砲!!!発射!!!!」


私は絶叫した、巨大な光の柱が天を貫いた。


敵艦隊に光の洪水が押し寄せ強力な中和フィールドを瞬時に飽和させた、敵艦の人工知能が異常なニュートリノを検出したが主人に警告する時間は無い、女神の加速する時空が停滞フィールドを無意味化、そこに全波長帯域に於いて破滅的な神の光が殺到した、衝撃で歪んだ船殻の亀裂から強烈なガンマ線とエックス線が暴威をふるい艦内の可燃物を一瞬で塵に変える、神の光がカニ文明が誇る複合形質装甲を気化させ核融合推進剤が反応を起こし小さな太陽のように光輝いた。

射線上に存在した敵艦が総て光の星となり輝いて消えていく。


これが天界最強の武闘派女神ミストアライアの神威。



さあこれからよ!!


右・・・・右よ・重い・・もっと・・・・よし上・・


この魔法の放射持続可能時間はわずか三分!!

皆が命をかけて作ってくれたこの戦場、絶対に無駄にするわけにはいかない!!

強烈な反動で頑健と剛力で祝福されたはずの体が重く腰がぶれかける、射線が狂えばどこに落ちるかわからない、王都が消滅するどころか大陸が消えるのよ。


こんどは左・・・・きついわ・・左・よし上・・右・・・そのまま右よ・・しっかり腰を動かすのよ!!


亜空間通信が乱れ飛びカニ星人艦隊が混乱状態に陥った、敵艦隊の人工知能は破滅の光から艦を救うための最適の方法を模索して持てる手段を駆使し動き出した、一部の艦は危険を承知で空間転移で脱出しようとジャンプの光をきらめかせる。

だが艦は見えない壁にぶつかるように座礁し、空間転移の煌めきが消えた後そこに同じ艦が姿を現す。


「無駄よ逃さないわ!!ごそんじ無いのかしら?大聖女からは逃げられない」


巨大な光の柱が空を磨くようになめていく、光の柱が通過する度に無数の光が生まれ泡の様に消えていった。


艦隊はどこかに非常事態を伝え危機を訴えていた、だがマリーレインにそれを知るすべは無かった。


100万隻を越えるカニ星人の大宇宙艦隊が今や消滅しようとしている。







片付いたかしら?


空を埋めつくしていた敵艦隊は跡形も無かった、でも何かを忘れているような。



「聖女様!!聖女様が勝ったぞ!!」

「マリーレイン様!!マリーレイン様!!無敵の大聖女様」

無数の群衆の歓呼の叫びは霊峰の山頂までは届かない。





そのとき遥か高空で異様な時空振動が生じる。



人々の歓喜はやがて絶望に替わる。


カニ星人宇宙艦隊総旗艦キャンサー(カニ)オブ(ドウ)プレイ(ラク)がその巨大な姿を表そうとしていた。

全長38万3千メートルの巨大戦艦が遂にその姿を表した、歪な楕円形をした船体からは巨大なクレーンのようなアームが何本も周囲に突き出していた。

あまりにも巨大で距離感とスケール感が狂わされる。

下界の人々は闘いを思わず忘れ皆呆けた様に空を見上げている。



こいつを忘れていたわね、きついけどもう一度やるしかないわ。

もう最大の力では撃てない、もう1/100程度の力しか出ないけど、でもあいつだけなら、今度は一点に集中して大穴を開けてやりますわこれでケリをつけましょう。


敵の巨艦から二対の突起物がせり出して来る、それはカニの目のような形をしていた、長さだけで数キロありそうだ。


「あれはオメガ・カニ光線砲、いいですわ受けて立ちますわよカニ星人!!」


私は天空の巨大戦艦に指を突きつけた。

敵に狙いをつけると神の力が再び流れ込み神具が白銀に輝きはじめる。


だが神具が嫌な音を立てた、短時間での連続使用は危険、それは神具だけではない聖女の身にも危険が及ぶ。


それでもかまわず神力をチャージする!!



マリーレインは敵艦から強大なエネルギーを感じていた、


二四基の縮退炉と七ニ基の核融合炉がこの人類文明が1000年かけて消費するエネルギーを1秒毎に生み出し、防護結界を積層させ守りを固める、そしてオメガ・カニ光線砲にエネルギーをチャージしはじめた。

カニの目がしだいに光を帯び輝く。


アイツも一隻だけ残っても意味がないわね、敵も最後の意地で同胞の敵を取るおつもりかしら?

そうね長きにわたって宇宙を進んできた仲間が一瞬で消えてしまったのですもの。


これは意地と意地の闘い、よろしくてよあなた達の想い総てを受け止めて上げるわ。


今こそ勝負よ!!


直後オメガ・カニ光線砲が輝くと巨大なビームが発射された、神具の力が再び発動すると銀翼の女神のエンブレムが『聖乙女の絶対領域』を展開する、オメガ・カニ光線を総て受け止めて亜空間にまとめて廃棄した。


それでも衝撃で目眩を感じそれに耐えたが足もとがふらつく、さっきより女神様の祝福が弱まっています。


だが止めないこの一撃に人類の総てがかかっているのだから。


神具『銀翼の女神のパンティー』から聖なる神気が溢れ出す、でももうすぐ限界が近い。



チャージ完了これが最後よ!!



一点集中で神の御業を解放します!!


「つらぬけ!!究極神撃滅犠怒光線砲!!!発射!!!!」


絶叫と共に光の槍が天を駆け上り巨大戦艦に突き刺さった、巨大なエネルギーの波濤が多層防御フィールドに激突し強烈な光が反射して地上は白銀の光に照らされた。


そして衝撃派が高層大気を叩きつけ遅れて地上に遠雷の様な轟音が響き渡った。






勝った?


だが光が薄れるにしたがいそれは再び姿を現した。


カニ星人宇宙艦隊総旗艦キャンサー(カニ)オブ(ドウ)プレイ(ラク)が傷つきながらも天空からこちらを見下ろしている。



聖女の最大の攻撃が防がれた・・・

私の体から力が抜けて行く、疲労だけでじゃない絶望が体を重くする。


私の切り札が阻まれもう次の手はない。


神具も限界が近いし私ももう限界ね、体がよろめき膝をつく、あああ膝を地面につけてしまいました、意識が遠くなるわ目の前が暗くなっていく。

街では名も知らぬ人々が戦っている、何も見えないけどわたくしは感じる事ができるの幾つもの命が散っていく。

もし私が倒れたらもうあれを落とせる者はいない。


「みんなごめんなさい」


涙が流れてますね、また泣いてしまいました、もう何も見えないけど涙を感じる事はできるみたい。













『・・・きこえますかマリーレイン』


誰かしら誰かが呼んでいる、清浄で透明でそれでいて力強い美声。


『マリーレイン・・・私の声がきこえますか』


私の心に直接?貴女はいったいどなたですか?


『私は貴女の側に、そして見えないところに何時もいる存在』


それはミスト教の巫女や女官なら誰でも知っているある存在を現す言葉に似ていた。

もしや貴女は女神ミストアライア様ですか?


『私は女神ミストアライア、貴女にはまだ使命が残っています』


わかっておりますが、私にはもう戦う力は残っていませんの。


『いいえまだ残されたすべがあります、力を解放するのです』


ええっ!?解放?


『聖女マリーレイン、神具とは聖女の神力を抑制し精密な制御を与え聖女を守護します、ですがそれは聖女の拘束具の役割も果たすのです、

神具なしで神聖魔法をつかった聖女はおりません、危険なため厳しく禁じていたのです、そして神聖魔法の覚醒条件として聖女の心を使い鍵をかけたのです』


神具は聖女から聖女と伝えられてきた聖遺物、私もカトレア様から授与式で譲り受けました、神聖魔法はこの神具がなければ使えないはずでは?

女神様まさか神具なしで神聖魔法を使えるとおっしゃるのですか?


『聖女の魔法は聖女のお尻から出るのです神具ではありません』


でもどうやって神具無しで神聖魔法を使うのでしょうか?


『神聖魔法の鍵は聖女の羞恥心、素質があっても初めから羞恥心を持たぬものは神具を履くことができません、そして神具がなければ神聖魔法を使うことができません、資格のある者はそれゆえに神具に拘束されてしまうのです』


私はもう何も恥ずかしいとか感じませんの、でも神聖魔法は使えますわね・・・そう言うことでしたのね!?


『今の貴女はもう神具の助けを必要としていません、あなたの鍵はすでに外れているのですよ』


慈愛に満ちた女神様の声。


わたくしは神聖魔法を使う度に泣いた遠い日々を思い出しました。


わかりましたわよろしくてよ女神様、私が何をすべきか今わかりました。

もう私は自分の為には泣きません、私が愛する人々の為に涙を流しますわ。


『愛する聖女マリーレインそれが私の心です、今こそ立ち上がり総てを解き放つのです、貴女は膝を地面に付けないと自ら誓いましたね不撓不屈こそ我が魂』


私の中から力が湧き出してきた、そうこの力は神具『銀翼の女神のパンティー』から来るものじゃない。

私のもっとも深いところから湧き出す聖女のエネルギー。


『ミストの愛する信徒は前を見て進むのです、私は皆の背中を守りましょう、正しい道を進む者は私を共に感じる事が出来ても私の姿は見えない、そして悩み迷い絶望し振り返る者の前に私は姿をあらわします』


私は目を開けた、そうでしたね女神ミストアライア様は後ろの女神様とも呼ばれていたわ、闘いの時には先頭を進むのに守護神としては何時も後ろから私達を見守ってくださる女神さまでしたわ。


目の前に霊峰ミストジェダイの岩肌が見えた、体が冷たいでもなんとか身を起こす。

すると女神様の幻影が目の前におられましたわ、神殿のレリーフや宗教画にそっくりですが幾千万倍も美しく神々しく力強い御姿。


思わず見とれていたがあわてて敵の姿を探す。

上空の巨大戦艦から強襲揚陸艦が次から次と発進しこちらに向かってくる。


倒れた私に止めを刺すつもりね。


強襲揚陸艦から無数のカニ星人達が出撃しこちらに向かって昇ってくる。


私は立ち上がり神聖魔法を連続発動させた『女神の鉄拳』『無尽の体力』『神界の金剛淑女』そして『悠久の乙女の聖戦』私の体に女神ミストアライアの魂が宿る。

体が聖なる光をまとい拳に神の気が漲り輝きだした。



今ならわかるもう神具の力に依る必要はないのね、今こそ限界を突破するのよ!!





私は女神の拘束具を解き放った。





今まで感じた事のない程の神気がマリーレインを包み込む、力強き清浄なる覇気と深く底知れぬ女神の愛の闘気。


ええもう恥ずかしくなんてない。




女神様これはお返しいたしますわ。


女神のお姿と神具が共に消えていく、そして最後に女神様が微笑んだ様な気がしました。


でも女神様の存在感はむしろ高まっていくの。

そうだったのね・・・女神様はそこにいらしたのね、わたくし何時も上しか見ていませんでしたわ、おほほほほ。

私は晴れ晴れと久しぶりに高く笑いました。


そしてカニ星人の大軍団に対峙します。


「『これから女神の愛を教育してさしあげます』」




今よ点火!!!突入!!!!


私は光となった



そして新たなる聖女伝説がここに生まれる。






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