プロローグⅡ
随分と時間が開きました。リアルが忙しくてすみません。
俺は男に連れられとあるマンションの一室に訪れていた。部屋の中央にテーブルが1つと椅子4つが並べられている部屋に通された。男は席に着きながら、
「とりあえず座りなさい。食べながらでいいからよく聞いて欲しい。」
俺は少し警戒しつつ男の正面にあたる席についた。俺が座るのを確認して男が口を開いた。
「まずこの世界は君の生まれた世界ではない。ここは君の元いた世界のいわば双子の世界、並行世界だ。向こう側の世界を『無神世界』、こっちの世界を『有神世界』という。君たちのように無神世界から来た人達のことをこっちではトラベラーと呼ばれている。そしてなんと言っても……」
「ちょ、ちょっと待って!」
俺は驚きのあまり男の言葉をさえぎってしまった。
「君たちって…俺以外にも俺と同じような人がいるってこと?」
「んあ?そりゃあいるわな。俺もトラベラーだし。」
「!?」
俺は驚きと自分の他にも同じ人がいることを知って少し安心した。
「君はこっちに来たばかりのようだ。あまりにもこの世界のことを知らなすぎる。少し話しておこう。」
そう言って、男は俺に『有神世界』について話し始めた。
まず、こっちと向こうの世界の歴史は大まかなところは変わらず内容が少し違うだけで同じ歴史を辿っているということ。『無神世界』では伝説や伝承でしか伝えらておらず存在しないとされているものたちが『有神世界』には存在し、それらは遥か昔に『有神世界』から『無神世界』にトラベルした人達が伝えたということ。そして『有神世界』では魔法が存在するということ。
「…まぁ、一通りこんな感じか?まだまだあるがもっと聞くか?」
俺は頭の整理が追いつかず一旦ここまでにしてもらった。
「そういえば魔法が存在するって言ってたけど俺も使えるの?」
「生活魔法程度なら誰でも使えるだろうな。」
男はタバコに火をつけながら言った。
「後は自分の適性と魔法文字の有無次第だな。」
「?…適正?魔法文字?」
「あぁ、適正ってのはその名の通り自分に適している魔力の属性や系統のことで、魔法文字は自分が持っているか今後開花されるかで得られる固有魔法のことだ。ちなみにさっき言った生活魔法ってのは紙や物に術式が刻まれていてそこに魔力を流すと発動するっていう誰でも使える魔法だ。市販されているしな。」
「…そもそも俺にも魔力はあるのかな…」
「あるにはあるだろうな。『無神世界』にも魔力だけは存在するしな。…適正調べてみるか?」
「で、できるの?」
「あぁ、んじゃちょっと買ってくるから待っとけ。」
男はそう言い残し部屋を出ていった。俺を1人ぽつんと部屋に置き去りにして……。
このあとの展開どうしようかな。