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水曜日の彼女  作者: 揣 仁希
秋の訪れとそれぞれの冬
66/98

金曜日の誕生日会 僕と鈴羽

よろしくです(〃ω〃)


「ただいま〜」

6時半過ぎた頃鈴羽が帰ってきた。

ちょうど、高山君とみちるさんに鈴羽との出会いを根掘り葉掘り聞かれていたときだった。


僕は玄関まで鈴羽を迎えにいく。

リビングから2人の興味津々な視線を背中に感じて。


「皐月く〜ん、ただいま〜」

「おかえり、鈴羽」

いつものように僕に抱きついて頬をすり寄せてくる鈴羽。

「えっと、鈴羽。あのね・・・」

「う〜ん、皐月君。ちゅ〜」

ここ最近あまり会えていなかったので、甘え方が・・・可愛いからいいんだけど。


腰に手を回して鈴羽を抱き寄せて、唇を重ねる。


「んふ、んんっ」

鈴羽の甘い声が漏れる。

「んふふふ、好き」

鈴羽がちょっと上目遣いで僕を見上げる。


「ごほん、ごほん。あ〜。お2人さん?」

そう声を掛けられて我に返って恐る恐る振りむくと、リビングのドアの隙間から高山君とみちるさんがこちらを覗いていた。


「皐月、俺たちを忘れてね?」

「あ、うん。大丈夫。うん」

ついいつものようにイチャついてしまった。


微妙な空気の中、リビングで鈴羽を2人に紹介する。

「え〜九条鈴羽さん、僕の彼女です」

高山君とみちるさんにジト目で見られて非常に居心地の悪い我が家のリビング。


「あの・・・えっと・・」

「まっ、仲がいいのはいいことだよな。俺は高山知念。皐月の同級生でこっちが高遠みちる。俺の彼女」

「高遠みちるです。よろしく」

「九条鈴羽です。先程はお見苦しいところをすみませんでした」

鈴羽は、何とか持ち直したようだ。

ちょっと顔が引きつってるけど。


「いや〜しかしリョータから聞いてはいたが、びっくりするくらいの美人さんだなぁ。なあみちる」

「うん、ほんと。立花君、先生は嬉しいわ。こんな美人さんとお付き合いしてただなんて」

「美人だなんて・・そんな」

「みちるさん?今は先生じゃないんでしょ?」

鈴羽はまた赤くなって僕の肩で顔を隠してる。


ちょっとアクシデント?はあったもののその後は和気藹々と話は弾んだ。


「へ〜じゃあみちるさんは皐月達の先生だったんですね?」

「先生と言っても研修生でしたから。期間も2か月ほどでしたし」

「そうそう、高山君が先生に夢中になっちゃって大変だったんだから」

「皐月〜その話は勘弁してくれ、なっ?」

「どうせリョータたちが来たら話すことになるだろうけどね」

はあ、とうなだれる高山君を横目に女性陣は恋バナで盛り上がってる。


「学生と教師って禁断の恋ですよね〜憧れですよね」

「そんないいものじゃないですよ〜いつバレるかヒヤヒヤしてましたから」

「でも学校の中だと、そのイチャイチャできないんじゃなかったですか?」

「そうなんですけど、ちーくんが何かにつけて職員室に来るからもう大変で」

「ちーくん!」

高山君はちーくんでトドメを刺されたようでフラフラとトイレに逃げていった。


「あははは、しばらくはちーくんで遊べそうだね」

「ちーくん可愛いでしょ?」

「学校でもちーくんだったんですか?」

「さすがに学校では、高山君って呼んでましたよ。ねぇ立花君」

「そうですね、たまに気づかずにちーくんって呼んでましたけどね」

「えっ!ほんと?」

「はい。って言うか僕のクラスは大体が高山君とみちるさんのこと気づいてましたから特に問題はなかったですよ」

「は?みんな知ってたの?」

「ええ、気づかないのは先生方くらいじゃないですか?」

そりゃあ授業中に見つめあったりしてたら誰でも気づくって。

ほんと、気づかないのは本人達と先生方くらいのものだよ。


「知らなかった・・・」

みちるさんも高山君のようにがっくりとうなだれてしまった。


「もうすぐ7時ね。杏奈ちゃんと梓ちゃんは仕事終わってるはずだからそろそろ来るんじゃないかな」

時刻は6時55分。

リョータはケーキを取りに行ってるからもうちょっと遅くなるかな。


「じゃあ僕は、料理の用意をしてくるよ」

「立花君が作ってるの?」

「はい。料理好きなので、期待して待ってて下さいね」

僕は2人にそう言ってキッチンに入る。


さて、やりますか。


僕は気合いを入れてキッチンに立った。













お読み頂きありがとうございました(//∇//)

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