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水曜日の彼女  作者: 揣 仁希
秋の訪れとそれぞれの冬
65/98

金曜日の誕生日会 高山君とみちるさん

誕生日会編はしばらく続きます。


今日はちょっと早めに起きて朝食の用意をしている。

昨日は鈴羽がお疲れのようで早くに寝ちゃったから朝起こしてあげないときっと起きれないように思ったから。


トーストとコーヒーを用意してから、寝室に鈴羽を起こしに行く。


毛布にくるまって寝ている鈴羽は、とても可愛くずっと見ていたくなる。


「ほら、鈴羽。朝だよ。起きないと遅刻しちゃうよ」

「う、うぅ〜〜ん。ん。」

僕が、声をかけても揺すっても可愛い声をあげていやいやをする。


「う〜ん、困ったなぁ。どうしようか」

時刻は6時少し過ぎたくらい。いつもなら8時くらいにうちを出るからもうちょっと寝かしといてあげようかな?

僕は、サラサラの髪を撫でてそっとベッドから離れようとした。


「うわっ!」

急に腕を引っ張られてベッドに引きずり込まれる僕。

「えへへ〜〜つかまえたぁ〜」

半分寝ぼけ眼の鈴羽が嬉しそうに頬ずりしてくる。


「起きてたんだね。え〜っと遅刻するよ?」

「だいじょ〜ぶ」

僕に抱きついて離れそうもない。


「皐月君成分がまだ足りないの〜」

毛布の中で、鈴羽は僕の髪や顔にキスをしてくる。


「ん、んっ。ふふっ」

「鈴羽、今日仕事だよ?」

「ん?んんっ。・・・ん」



結局、8時過ぎに鈴羽は大慌てで出勤していった。

だから言ったのに。

僕はベランダから、鈴羽に手を振りながらそんな彼女を見送った。


「さて、準備しておこうかな」

僕は腕まくりをしてキッチンに向かう。


こうして僕は最初のお客様である高山君とみちる先生が来るまでせっせと準備に勤しんだのだった。


6時を少し回ったくらいに、高山君とみちる先生がやってきた。


「よう、皐月。ちょっと早かったか?」

「立花君。お久しぶり」

「いいや、全然大丈夫だよ。先生もご無沙汰してます」


久しぶりに会うみちる先生は、以前よりも少しふっくらとしてすごく幸せそうに見えた。


「さあ、どうぞ。まだ誰も来てないけどね」

「お邪魔します」

2人をリビングに通してお茶を淹れる。


「相変わらずキレイにしてるなぁ、広いしいい部屋だよなぁ」

「そう?掃除はマメにしないと鈴羽に怒られるからね」

「立花君も年上のお姉さんを捕まえたのよね?」

「まぁ、そんな感じです。ははは」

「俺も皐月の彼女にはまだ会ったことないから楽しみだな。リョータが言うにはすごい美人らしいからな」

みちるには敵わないけど、って惚気て高山君は笑っている。

隣でそんな高山君を見つめているみちる先生の穏やかな顔をみて改めて良かったと思う。


「先生は、こっちで小学校に勤めるんですよね」

「ええ、四月からね。それと立花君、先生はやめてね。今はあなた達の先生じゃないんだから。それに敬語もいらないわよ」

「おう、そうだぞ皐月。みちるは俺の彼女だからみちるさんくらいで頼むわ」

「うん、わかったよ。じゃあみちるさん。改めてよろしく」

みちるさんと高山君は顔を見合わせて微笑む。

いいカップルだよなぁ、この2人って。

リョータと杏奈ちゃん、梓ちゃんは賑やかなカップルだけどみちるさんと高山君の落ち着いた和やかな雰囲気はすごくいい。


「それで立花君、ちーくんに聞いたんだけど」

「ちーくん??」

「みちる!人前では呼ぶなって言っただろ!」

「あっ」

みちるさんは口を手で覆って、しまったって顔をしている。


「ふ〜ん、それで何を聞いたんですか?ちーくんに」

僕はニヤニヤしてみちるさんに聞いてみた。


「皐月・・・ここだけにしてくれ」

「大丈夫だよ。学校では言ったりしないから、ちーくん」

「さ〜つ〜き〜!」

「あはは、ごめんごめん」

ひとしきり高山君のちーくんネタで盛り上がった頃、次のお客様がやってきたのだった。










「 ←不要?

お読み頂きありがとうございます(//∇//)

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