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水曜日の彼女  作者: 揣 仁希
秋の訪れとそれぞれの冬
63/98

火曜日の放課後にて

ありがとうございます(//∇//)


放課後。

僕とリョータ、高山君は学校の近くのマッ◯で誕生日会の話をしている。


「じゃあ先生は大丈夫なんだね?」

「おう、来週にはこっちに来るって言ってたから帰って来たら会わせるな」

「そうだな。久しぶりに先生に会ってみたいし、って言うか知念の彼女に、だな」


色々あったみたいだけど元に戻ってよかったよ。

みちる先生はこっちに戻って小学校の先生になるって高山君から聞いた。


流石に同じ学校で、いくら研修中とはいえ学生と恋人同士はあまりよくなかっただろうし。


「それで、リョータの彼女に贈るプレゼントは決まったのか?」

「当たり前よ!バッチリだぜ!」

リョータがサムズアップして答える。


杏奈ちゃんと梓ちゃんならリョータから贈られるものなら何でも喜ぶと思うけどね。


「知念は結局は実家を継ぐのか?」

「まぁそうなるな。仕方ないさ、一人っ子だし。うちの寺がなくなると町内の夏祭りとかもなくなりそうだろ?」

「そうだね、毎年恒例のイベントだしなくなるのは寂しいよね」

高山君の家は宝生寺というお寺でこの街の山側に建っている。

地元では古くからあるお寺で毎年夏祭りが行われていて結構な賑わいをみせている。


「リョータは大工だろ?皐月はどうするんだ?大学か?」

「うん。一応大学に行くけど卒業したら僕も実家に帰ることになると思うよ」

「ふ〜ん、そういや皐月の実家って何やってるんだ?」

「そっか、高山君には言ってなかったっけ、僕の家は華道の家元だよ」

僕はあまり家のことを話すのが好きじゃないからリョータくらいにしか話していない。


「へ〜華道ね、うん?もしかしてテレビで見かける華道の立花先生って?」

「僕の母さんだね」

「有名人じゃねーか!」

「みたいだね、母さんは母さんだから僕には関係ないよ」

「そ、そうか、皐月にも色々あるんだな」

僕の言い方がちょっと素っ気なかったのか高山君もそれ以上は聞いてはこなかった。


「さて、ならそろそろお開きにするか?」

「うん、そうだね、晩御飯の用意しないといけないし」

「「主夫?」」

「あはは、料理は僕の役目だからね」


僕たちはマッ◯の前で別れる。

僕はいつものスーパーに買い物に行くことにする。


誕生日会の日の料理何にしようかな?寒くなってきたからやっぱりお鍋かなぁ。

う〜ん、でもケーキにお鍋もイマイチだよなぁ、チキン系にしてもいいけどすぐにクリスマスがやってくるからこれもイマイチか。


僕はスーパーの肉売り場前であれこれと悩んでいた。


「いらっしゃい!何かお探しですか?」

「えっ、いや、ちょっと何を作ろうかと」

そう僕に声を掛けてくれたのは、この店のパートのおばちゃんだ。

僕はよくこの店に来るからたまに会話をすることがあるので声を掛けてくれたのだろう。


「誕生日会の日の料理を考えてて、何にしようかと思って」

僕がさっきの考えをおばちゃんに言うと、そうだなねぇと一緒に考えてくれている。


「ちらし寿司なんてどう?最近はパーティでもよく出されているみたいよ」

「お寿司かぁ・・・」

「他だとサンドイッチみたいな軽食だね、男の子には物足りないだろ?」


おばちゃんとそんな会話をしてから僕はとりあえず今日の夕飯の材料を買ってスーパーを出た。


う〜ん、ちらし寿司か。

作ろうかなぁ。

スーパーの買い物袋を片手に僕は星が出始めた空を見上げて呟いた。








お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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