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水曜日の彼女  作者: 揣 仁希
秋の訪れとそれぞれの冬
48/98

水曜日の晩御飯は5人で

寒くなると鍋ですよね(//∇//)



9月も終わりにさしかかりすっかり秋の気配が辺りに漂いはじめた。


僕と鈴羽は、晩御飯の買い物のために近所のスーパーに来ている。


「鈴羽は何が食べたい?そんなに手の込んだ料理じゃなかったら大体は作れるよ」

「そうね〜ちょっと冷えてきたからお鍋とかいいかも」

「お鍋かぁ、何鍋がいい?普通に醤油味にする?最近は色んな味があるからほかのにしてみる?」


僕たちがたぶん陳列されたばかりの鍋つゆのコーナーで選んでると


「なんか皐月、お前すっかり新婚さんみたいになってないか?」

「えっ?」

「やっほー、皐月君久しぶり〜」

「九条先輩、皐月君こんばんは」


振り返ると、リョータと噂の2人が買い物カゴを持って立っていた。

「あら?リョータ君に杏奈ちゃんと梓ちゃん。お買い物?」

「九条先輩もお買い物ですよね?晩御飯ですか?」

「ええ、皐月君とお鍋でもしようかと思って」

「やあ、リョータも買い物?」

「ああ、杏奈のうちで3人で食べようかって話になってな」

さすがはハーレム君。そりゃ噂にもなるよ。


「ならうちに来ない?みんなで鍋でもどうかな?鈴羽もいいかな?」

「ええ、お邪魔じゃなければだけど」

そう言って鈴羽は悪戯そうに笑ってリョータ達を見る。


「え〜いいんですか〜お2人の愛の巣にお邪魔して?」

「皐月がいいなら俺たちはかまわないぜ、なぁ?」


そういうわけで今日は僕の家で5人でお鍋をつつくことになった。



「お邪魔しま〜す!」

「どうぞ」

「皐月んちに来るのも久しぶりだなぁ」

鈴羽が、3人をリビングに案内している。

「適当に座っててね、お茶入れてくるから」


「・・・九条先輩、完全に奥さんじゃない?」

「自分の家みたいになってる・・・」

2人がそんな鈴羽の背中に呟いている。うん。僕もそう思うよ。


「なぁ、皐月」

「なんだ?リョータ」

「もしかして一緒に住んでんのか?」

「は?いいや、まだそこまではしてないよ」

「・・・まだって事は考えてはいるわけか」

「まあ、そうだね」

「リョータこそどうするつもりなんだ?」

僕は小声で言う。


リョータは鈴羽のことで盛り上がっている2人をちらりとみてから。

「卒業までにはちゃんと決めるつもりだ」

「そっか」

3人の問題だからね、あまり聞くのも悪い。僕はあえて簡単な返事をして鈴羽を手伝いにキッチンに行く。


「用意は僕がするから鈴羽は、杏奈ちゃんと梓ちゃんの相手をしてあげて」

「手伝うわよ、って言いたいけど料理に関してはやめておくわ。じゃあお願いね」

「うん、まかせといてよ」



「お〜、すごい。皐月君、女子力ハンパないね!」

「付け合わせとかお浸しとか出てくるとは・・」

「あはは、鍋だけだとちょっと足りないかと思ってね」


こうして、5人でつつく鍋は非常に楽しいもので。

杏奈ちゃんと梓ちゃんは本気で部屋を借りるつもりらしい。

リョータは頭を抱えていたが。


そんな3人を鈴羽は楽しそうに眺めて笑っている。


ほんの半年前まではこんな風にみんなで鍋を食べるなんて考えもしなかった。


人の出逢いって不思議だなぁとつくづく思った夜だった。









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