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水曜日の彼女  作者: 揣 仁希
秋の訪れとそれぞれの冬
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金曜日の夜は甘くて

第2章で〜す(//∇//)



「へ〜、じゃああの旅館は鈴羽の会社の会長さんが予約してくれてたんだ」

「うん。会長も奥さんと泊まりに行くんだって」


僕と鈴羽は、お風呂で夏休みに行った旅館の話をしている。うん、お風呂で。

「冬はどんな感じなんだろうね?夏でもあれだけ雪があるんだからきっと冬は埋もれてるのかな」

「ふふふ、そうね。雪に埋まってるあの部屋も何だか風情がありそうじゃない?」

「そっか、雪の中の露天風呂も良さそうだね、冬休みにまた行こうか?今度は僕がバイトして鈴羽を招待するから」

「楽しみにしておくわ」


9月も近くになってくると夜は結構冷えてくる。そんなわけで2人でお風呂に入ると中々出れないわけで。


「えへへ」

「うん?どうしたの?」

「ううん、なんでもない」

湯船の中で鈴羽が、ふにゃっとした顔をして抱きついて甘えてくる。もちろん僕もしっかりと抱きしめるんだけど豊かな双丘がぎゅっとなってさすがに色々とマズイ。


「それはそうと皐月君、受験勉強は大丈夫なのかな?結構難しいとこ受けるんでしょ?」

そんな僕を知ってか知らずか、真面目な話をふってくる。

「うん。今のところ大丈夫だと思うよ。終わるまでは気は抜かないけどね」

「うんうん。皐月君なら大丈夫だと思うけどね」

そう言って更に密着してくる鈴羽さん。


「ねえ?」

「ん?」

「鈴羽、言ってることとしてることが正反対だよ?」

「うふふふ、そうかなぁ〜」


結局、お風呂でイチャイチャして2人してのぼせた。


お風呂上がりのコーヒー牛乳(瓶)を飲んでリビングで一休み。


「今日は泊まってく?」

「うん。もちろん」

「家のほうは大丈夫なの?お父さんが心配してない?」

「へーきへーき。最近はむしろ皐月君を一度家に連れてきなさいって言ってるくらいだから」

「・・・それはそれでプレッシャーが・・・でも、そうだね。一度ちゃんと挨拶には行っておきたいな」

「・・・うん。そうしてほしいかな」

年内に一度、鈴羽のご両親に挨拶に行くべきだよな。僕はまだ学生だけど、将来のこともしっかりと考えておかないと。

それに年明けには僕の実家にも連れて行きたいし。


晩御飯を食べながらそんなことを2人で話す。将来について。

何となく僕はリビングを見渡す、2人で買いに行ったクッション、一緒に買いに行った観葉植物。鈴羽の趣味の小物。

この部屋も、彼女のものが増えたよなぁ。食器も2人分だし。

会社に来ていく服まであるもんなぁ。


・・・一緒に暮らしたいな・・


年内にとかじゃなくて近いうちに挨拶に行くか。


「どうしたの?難しい顔してるよ?」

「え〜、うん。あのさ・・・」

「なに?」

「近いうちに鈴羽のご両親に挨拶に行くよ。でね・・・」

「うん」

「その、うん、えっと・・・鈴羽、一緒に住まない?」

僕は、思い切って鈴羽に聞いてみた。


「・・・・・・」

「鈴羽?」

「うん。うん・・・へへっ」

泣いてるのか笑ってるのかよくわからない顔で鈴羽は何度も何度も頷いて、僕に思い切り抱きつく。


「ありがと」

「認めてもらえたらだけどね」

鈴羽の頭を、ぽんぽんと撫でてしっかりと彼女を抱きしめた。
















お読み頂きありがとうございますm(_ _)m

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