ゴブリン退治できました。
俺は魔法で3匹のゴブリンを森の中で倒していた。
最初からこんな風に魔法が使えてたらなぁ...
そんな言を考えながら、ゴブリンの体の中から魔石を取り出す。良くある材料とかになるらしい、ちなみに場所は心臓辺りに反応があったので、魔法でその辺りを裂いてそして取り出した。
死体は魔法で掘って埋めておいた。
いい加減って言って御免なさい、便利です魔法。
汚れた手も水を出して洗えるしね。
まあブチブチ言っても仕方ないので、ゴブリンを探しに更に奥へ歩いて行く
森の中はいい天気で、木々の間から陽光が差し込んでいる。静かにしていればそのうち小鳥の囀りが聞こえてきそうなほどいい景色だ。
...先の方からゴブゴブとかいう声がして<知覚、探索>にその存在が引っかからなければ...
雰囲気ぶち壊しだ。
仕方がないので確認をすると、数は1匹...なら実験してみるか
俺は火玉をイメージしながら、右手を銃のように構える。
普段の火玉のサイズは握り拳位なのだが、今回は更に収束させてビー球位の大きさの火玉だ。
サイズを収束させると、どうなるのか?
密度を上げるとどうなるのか?
結果は
ゴブリンの体に穴を開けて、そこから血が噴出し苦しんで死んでいった......
多分、高熱になってゴブリンの肉体を一瞬で部分的に溶かしたんだろう...
狙うなら頭だな。
こいつ等のどれかが俺を狙った奴だと思ったら、躊躇とか考えなくなった。
やらなきゃやられる。だもんな
そのまま歩きながら6匹程ゴブリンを倒したら、ピキーンという音がまた頭の中に響いて(LVUP、LV2、<魔術師>LV1)と聞こえた
もしかして、LVとスキル熟練度、職熟練度、全部別なのか...?
その内剣を使う職業とか覚えてみよう、どうせ今だけだし
取り敢えず、何か今一精度が低いので<精密狙撃>それと<魔力強化>を付けた。
でも、うん付けたけど、どうせならウィンドが開いて付けたいなぁ...できるかな?
「ステータス表示」
お、出た出た。言ってみるもんだなぁ
結構楽しくなってきた。
帰るまである程度楽しんじゃおうか、どうせ帰るし
しかし思ったよりサクサク倒せてるなぁ...もっと時間かかるかと思ってたんだけど...?
まあ楽ができるのは良い事だ。
そう考え長ながらまた暫く歩いて行くと洞窟の入り口みたいな所にゴブリンが2匹立っている。
「2匹か...ターゲット...固定」
魔法をちゃんと当たるように固定・追尾にし、少しMPを大目に消費して、同時に火玉を2発ゴブリンに放つゴブリンはそのまま体と頭から緑色の体液を噴出し、絶命していった。
「さて、後何匹だ?」
そう俺は言いながら、洞窟を用心して覗き込む真っ暗だ...
「んー...これはスキル使うか...猫目」
うん、洞窟内部が見える。これで不意打ちは免れる筈だ、夜目が利く奴が居ない限り。
俺はそのまま下へと続く洞窟を降りていった。途中、少し広い広間があってそこにゴブリンが3匹居たけどサクっと倒した。
何かここ野菜とかいろんな道具が雑多に置いて有るけど...物置かここ?
更に下に進むと、段々明るくなっていった。そして更にゴブリンの声とこれは...女の人の声...?
その...何というか凄く興奮すると言うか艶っぽい声が聞こえる。
嫌な予感はするけど、俺はそのまま進んだ。
すると、嫌な予感は的中した...奴らは繁殖の真っ最中だった。
俺と同じ年位の女の子や、少し上の女の子が泣きながら助けを求めている。中には茫然自失な女の子もいる。
こいつら!
「数は5匹、キツイがやれる筈だ!ウィンド!」
俺の放った風の刃が立ったままのゴブリンの命を刈り取る。すると気がついた3匹のゴブリンが、女の子達を放し武器を構えこちらにやってくる。
「遅いよ!ウィンド!」
ザンザンザン!と容赦なくゴブリンを呆気ない程に刈り取る。
全てが終わり周りの様子を伺うが、敵の気配は無かった。
俺は一息ふぅ と息をつくと彼女達に声をかける。なるべく笑顔で
「助けにきたよ」
そう言って彼女達に手を伸ばした。
すると彼女達は安堵したのか、ボロボロと涙を流し声を出してなき始めた。
ああもう、俺こんな時どうしたらいいんだろう?
安心させるには......やっぱハグかなぁ...あれやられると恥ずかしいけど、安心するんだよなぁ
だから俺は3人の女の子を手招きして集めると、ぎゅっ と少し強めに抱きしめた。
すると女の子達も強くこっちをハグしてきた...あああもう!邪な考えが沸きそうだ!
けれど彼女達はやっと助かったんだ。
落ち着け落ち着け...
「あ...あのさ...何か着る物とか...ないかなぁ?」
「何故慌てておられるのですか?同じ女性で...」
「僕は男性!男だよ!」
「す、すいません」
助けたとはいえ彼女達は生まれたままの姿なのだ。健全少年からしたら...まあその色々と...毒なのだ...へタレじゃないぞ!
ついでに言うと、女の子でもないよ!
すると奥の方にボロボロになったボロ布が積まれていた。
...まあ無いよりマシか...
彼女達を魔法の水で洗ったあと(本当に魔法便利だ!)彼女達の体に異常が無いか調べ、あった場合それを取り除いた。
俺は魔石を回収し、彼女達の手を取り上へゆっくりと上っていった。
途中、小部屋のゴブリンの魔石回収を忘れていたので、回収をしていると彼女の1人が何やら見つけて俺に手渡してきた。
「これは...指輪と短剣?」
特に短剣の方は鞘の方に装飾と家紋みたいなのが刻まれていて、物凄く高そうだった。
「これってどこかの大きな家の人の物っぽいよね」
「そうですね」
少し落ち着いてきたのか、返事をかえしてくれるようになってきた。
「取りあえずこれは持っておこう、じゃあ外に行こうか」
「「はい」」
そして俺は彼女達を外に連れ出した。
外に出る時に<猫目>はもういらないと判断して、解除して外へ出ると開放感が辺りを包んだ。
「く~~~...そんなに長く居なかったけどやっぱお日様は気持ち良い」
彼女達は「またお日様が拝めるなんて」「もう諦めてました」
とか言ってるけど、無事に助け出されたんだから良かった良かった。
そのまま歩いていると<知覚、探索>に何かがまた引っかかった。
これは...またゴブリンだな
「伏せて」
俺は小さな声で、彼女達に指示すると反応のあった方角からゴブリンが2匹やってきた。
片方は弓をもっていた...俺を襲ったやつだな...
俺は即座に魔法で2匹を打ち倒す。すると頭に中でまたしてもピキーンという音と共に(LVUP、LV3)と脳内で表示がされた。タイミング悪!
まあともかく魔石を回収して、俺は他にまたゴブリンが来ると嫌なので思いついた事を試す。
先ず<魔法袋>を開ける...広くなってるなぁ、女の子3人位なら入れそうだ。
そして女の子達には悪いけど袋の中に入って貰った。
まあ、少し怖がっていたけど少し勘弁してね。
そしてその後、...ステータスを表示して使える呪文を検索、使えない呪文は赤く表示されている。
そしてその中から目当ての呪文を探り当てる。
<飛翔>うん空を飛ぶ呪文だね。
白く表示されていた。やった!
俺はその呪文を使い、村まで飛んで帰った。文字通り。
村に帰ると、俺が飛んで帰ってきたのに驚いた村の人達が、慌てているのが見えた。
御免、驚かせたか、でもこれ快適でいいなぁ
そんなこんなで村長の家に行き、彼女達を出し魔石を見せると大喜びしてくれた。
「おお!魔術師様、感謝いたします。」
照れくさいが、悪い気はしないなぁ
「いや当然の事をしたまでですよ。それと報酬ですが...」
俺は今無一文なのだ。この世界で暮らすには金がないとなぁ、まあ町に行ったら冒険者として稼ぐつもりだけど
「おお、そうでしたな。ゴブリンを退治して貰った謝礼はこれだけになります。」
そう言って長老が取り出した袋には、銀貨6枚銅貨6枚が入っていた。
「ありがとうごぜえます」
そう言う村長に俺は
「村長、一応他にゴブリンがいたら面倒だから2,3日泊まっていってもいいかな?」
俺がそう言うと
「おお、助かります。その間現れたらお願いしますじゃ」
と3日の宿を確保した。
次の日回復した俺は、散歩...いや見回りをしていると農作業をしている村人から、度々声をかけられた。
「あんがとなー」
「ほんに助かっただー」
「あんなこんまい娘さんなのに、大したもんだべ」
「女じゃない!男だ!あと小さくない!!」
等々やりとりがあったが、まあいいどうせ俺はこの村からいなくなるのだから...
辺りが夕方になり、もう帰ろうかな?と歩いていると、見た事がある女の子が家の前で佇んでいる。
「どうした?」
と声をかけると
「あ......魔術師さま...」と反応が返ってきた。
ああ、俺が助けた3人の1人だ。
「私はエシュナって言います」
聞けば、母はとうに他界し父もゴブリンに殺されたのだという...重い...重いよ...
「私...もう1人です...これからどうしたらいいか...」
彼女の髪はショートで金色にキラキラと輝いていた。目の色も金、身長は小さいが肉つきはいい
綺麗だ...そう思った。
だけど...彼女の瞳からは大量の涙がボロボロと溢れ、悲しみが溢れている。
「魔物なんかに汚された娘なんて...誰も見向きもしません...どうしたら...」
彼女は綺麗な顔を伏せて泣き崩れた。
俺は帰るんだ......だからここで余計な事をしちゃいけない...だけど...
目の前で泣き崩れている少女を、このままにはしたくなかった。
俺は少女に近づいて、顔を上に向かせてキスをした。
「え...」
気の迷いでもいい、若気の至りでもいい、俺は彼女の悲しい顔を見たくなかった。
「じゃあ...俺と一緒に来るかい?」
すると最初少女は驚き、その後口に手を当てながらまたポロポロと泣き始めた。
「いいん...ですか?」
「俺じゃあ駄目かな?」
少し苦笑しながら彼女に語りかける。
彼女は、頭をぶんぶんと振り回し否定する。
「私みたいなので...良かったら...」
「大丈夫、君はとっても綺麗だよ」
そう彼女に言うと彼女は頬を染めて俯いた。
「それじゃあ出る前に迎えに来るよ」
そう言って立ち去ろうとすると裾を掴まれた。
「まって...ください...」
彼女は裾を掴んだまま、俺を見上げてきた。
「私を...貴方の物にしてくれませんか?」
そう言われた瞬間、ゾクリと何かが体に走った。
いやいやちょっと待って、俺まだ未成年...いやここはファンタジーか...だったらいいのか?...でも相手の弱みにつけ込むみたいで...
「ダメ......でしょ...か?」
不安げな表情でこっちを視てくる。ああもう!そんな可愛い顔で見ないでよ!理性ギリギリだよ!
「ダメじゃないけど...その...なんというか...俺みたいなのでいいの?」
ああもう!自分が情けなさすぎる!
すると彼女の口から
「貴方じゃなきゃ...ダメ...なんです...私を救ってください」
ゴフ!!何この子可愛すぎじゃないですか!ああもういいよ!こうなったら後は野と為れ山と為れだ!
俺は再度彼女にキスをする。
今度は少し長く、そしてそのまま彼女を持ち上げると......軽かった...しかも柔らかいし!
生きてて良かったとこの瞬間思います。
そしてその後、彼女の家に入って俺たちは...夫婦になった。
人生って素晴らしい
黒賀八幸
Lv3
HP140/140
MP180/180
火Lv10
水Lv10
土Lv10
風Lv10
聖Lv10
闇Lv10
治療Lv2
補助Lv1
その他Lv1