2nd story:恐
あれからもおじいさんは渋っていたけれど、僕が仕事をすることを許してくれた。
どんな仕事をしようかは、もう決めている。
なんでも屋『ホワイトウィング』
給料は高い。一仕事平均50000ラチナ。これだけあれば3ヶ月生活に困る事は無いだろう。
僕はチラシを握り締めてチラシに書いてある場所へ走っていった。
「僕・・・場違いな所に来ちゃったかなぁ・・・」
僕はそう呟いき、そして、立ちすくんでいた。
今、僕は受付のあるロビーにいる。そして、僕の目に映るのは恐そうな大人たちが20人ぐらい。
ものすごい筋肉をしているスキンヘッドの人、細身の白衣をまとった眼鏡の人。
高そうな鎧を着ている大柄な人、黒い服を着て黒い帽子をかぶった黒ずくめの男。
緑の衣をまとった老人、綺麗な顔をした長い剣を腰にさしている青年。
偉そうな人たちや強そうな人たちが僕の前を次々と横切っていく。
僕は恐くて引き返そうとしたけれど、今更そんな事出来ない。
僕は勇気を出して、受付に行った。
受付のとても大きなオバサンが、こっちを見た。正直、恐かった。
「あ、あの!」
「何」
ぶっきらぼうに聞いてきた。静かに一歩、後ずさりした。
「ここで働きたいんですけど!」
「申し込み用紙」
オバサンはおもむろに奥の方を指差して、「書いて持ってきな」
そういうと、持っていた書類の束に目を移してしまった。
僕はそこへ行って、申し込み用紙にいろいろと書いた。
名前・・・とりあえず、ショウと書いておいた。
年齢・・・適当に15と書いた。
得意・・・オノと書いた。漢字が分からない。実は、オノを使うのは得意でもない。
不得意・・・コワイ人。迷わずそう書いた。
僕はそれをさっきのオバサンに出した。
そのオバサンはそれを受け取ってじっくりと眺めた後、こっちを振り向いて言った。
「コワイ人って、例えば誰」
僕は黙ったままオバサンをジーッと見た。
「例えば」
ジーッと見た。
「・・・・・」
ジーッ。
「・・・あたしがそんなに綺麗かい?」
オバサンが含み笑いをした。おじいさんが昔話してくれた、「口裂け女」の話を思い出した。
「ま、いいわ。あたしが恐いようじゃ相当な恐がりね」
思っていたことを見透かされた僕は何だか恥ずかしくて、下を向いた。
「じゃ、最初はこの仕事を任せるわ。簡単そうだし。いってらっしゃい」
と、僕に一枚の紙を差し出してきた。内容は、こんなだった。
〜〜〜世界征服を食い止めてください〜〜〜
依頼人:キャル・ロットラー・ビット
人数:一人以上
依頼額:前払い5000ラチナ 成功報酬15000ラチナ
依頼内容:世界征服軍金品収集部隊と名乗るものから、私の財産を奪いに来ると言う予告状が届きました。
もちろん、そんな信じがたい話警察は取り扱ってくれません。
しかし幸いな事に、私の情報力で彼らの居場所は分かっております。龍の月龍の日に私の護衛達と一緒に奴らを叩きのめしてください。
お願いします。
住所:ラビ町ニジン125−3
世界征服軍金品収集部隊・・・ビットさんの護衛・・・。恐そうな人たちがズラッと頭の中に並んだ。
受付のオバサンを見ると、僕の事は無視して書類の束に目を戻していた。
・・・このオバサン、絶対わざと僕が嫌なもの選んだな・・・。
キッとした目つきでオバサンに目を向け続けても、オバサンはつまらなそうな顔で書類を見続けていた。
仕方が無いから僕は諦めて店を出て、早速ビットさんの家に向かった。
半年以上更新されないと酷いレッテルが貼られます。
そんなレッテルを貼られました。頑張るとか言っておきながら。
お恥ずかしい限りです。次回はがんばります。多分・・・。
応援、よろしくおねがいします。