冬 結婚指輪に口づけを
冬が来ました、
ほら、雪が降っていますよ。綺麗ですね。
無理やり引っ張ってきてごめんなさい。でもこれが最期のわがままだから許してくださいね。
雪が降ったのでかまくらを作りました。二人には少し狭いですが、それが心地いいと思いませんか?
でも、鼓動は私のしか聞こえませんね。
それがとても悲しいです。もう少し近づかせてください。
あれ、もしかして春より軽くなりましたか?
まぁ、そうですよね。軽くもなりますよね。
顔をあなたの胸うずめると、夏ほどではないですがあなたの匂いがしますね。
今私が着てるワンピース。春にあなたに送ってもらったものなんですよ。
柔らかくて透き通って、最期を飾るには立派過ぎる服装だと思います。
一年間、ずっとあなたのことを考えていました。
好きで好きで仕事も手につかなくて。
あなたには私がしてしまった取り返しのつかないことを謝らなくてはいけません。ごめんなさい。
スズランに毒があることを知っていたら、今頃は結婚指輪をはめていたのでしょうか。仲良くおしゃべりできていたのでしょうか。子供を生んでいたのでしょうか。
「私にはあなたが必要です。あなたなしの人生なんて考えられません。ずっと、ずっと、ずっと、永久にあなたのお傍にいます。今あなたのもとへ参ります。長い間お待たせいたしました。」
今まさに朽ちようとしているあなたの体を抱いて、口づけとともに意識を離しました。
――――私、あなたを心から愛しています。
関連ワードを付けるとネタバレになるので苦労しました。
叙述トリック(一応作者はそのつもりです)の難しさを実感しました。




