夏 浜辺をはだしで駆け抜けて
夏がきました。
あなたが一緒にいきたいと言っていたのを思い出して、今日こそはと車で海に来ました。
あなたが大好きな私としては、あなたに変な虫が付かないかが心配でなかなか踏み切れずにいたのですが、いざ来てみるとそんなことはなくて安心しました、
あなたには車の中はお暑いと思って、アイスとドライアイスを入れた大きなクーラーボックスを持っていきました。もちろんエアコンは最低温度に設定してあります。
窓には、紫外線カットシートを張りました。
日焼けをしないし、外から見えないので二人の世界が楽しめますね。
これから暑くなるし、新しい冷蔵庫でも新調しましょうか。
運転に集中しすぎて、話しかけてあげられなくてごめんなさいね。
今まではあなたに頼りっきりでこんなに長い距離を走らせるなんてなかったんですもの。
海につきました。
夏なのに人がいませんね。
車から降りて、照らされた地面の上に裸足で立ちました。
足の裏に伝わる熱とあなたへの思いと待ちきれなさで、海までかけてしまいました。
足首まで、膝まで、腰まで、浸りました。
胸まで浸ったところで、あなたの声がした気がして、あわてて海から出て車に戻りました。
そのせいで車がびしょびしょになって、掃除が大変でした。
あなたを置いて海に言った罰でしょうか。
クーラーボックスの中のアイスをあなたの隣でかじって、その後は海に入らないで帰宅しました。
家に帰ってからあなたに抱きつくと、いいにおいがしました。
「思えばここしばらくは、こうして顔を合わせることはありませんでしたね」
自然に涙が出てきました。
今日は海に入れなかったけど、また決心がついたら、訪れてみようと思います。




