春 スープに浮かべたスズランの花
春が来ました。
貴女と付き合い始めてちょうど一年ですね。
私は貴方の全てが好きです。
私より背が低いと悩んでいるのもかわいいですし、別に低いことに不満もありません。
これからも、ずっと一緒に居ましょうね。
「記念日のプレゼント何がいい?」
と勇気を出して聞いてみると、
「君の手料理が食べたい」
なんてうれしい答えを返してくれましたね。
今まで以上に、あなたのことが大好きになりました。
私は生粋の不器用ですが、愛しい恋人からの願いを、断ってしまえる人がどれだけいることでしょう。
そうして、記念日のお昼ご飯を作ることにしました。
「じゃあ、夜はドライブデートにしよう。いい夜景が見える廃港知ってるんだ。これが穴場中の穴場でね、いつ行っても人がいないんだ」
しばらくその場所について熱心に語っていたあなたでしたが、私の目に少しばかりの嫉妬の念が宿ったことに、すぐに気付いてくれました。そして、
「一人で行ってるんだよ」
と照れながら教えてくれました。
そんなお茶目なところも素敵です。結局その日は、記念日の行動について話し合いました。
当日、慣れない家事に苦労しました。手を何度か切ってしまいました。けど、あなたに出来るだけ多く食べてほしくて、味見は出来るだけ少なくしました。
裏庭でとれたスズランや菜の花も混ぜてみました。
我ながらいい出来だと思います。
そうこうしていると玄関のチャイムが鳴って、あなたが家に来てくれました。
ご飯を食べる前に白いワンピースを渡してくれて、とても感動しました。
うれし泣きをして、あなたを困らせてしまいましたね。
あなたがご飯を食べている間に、寝室でそのワンピースに着替えることにしました。
部屋をまたいで聞こえるほどの声で、おいしい、おいしいと食べてくれたあなた。
喜んでもらえたみたいで、私幸せでした。久しぶりに家事をしたせいで、作ったご飯を食べる前に眠りこけてしまいました。
起きるともう夜中でした。
あなたをベッドに横にした後、目が覚めてしまったので久しぶりにインターネットをしました。
新しい家電を買ったり、調べものをしたり。
「これじゃあ、デートはムリだよ」
最初はこんな弱音を吐いていた私でしたが、あなたを港に連れて行くことにしましたね。
でも、空が白くなってきたのもあって、すぐに引き返しました。




