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~その名は不可視の拳(インビジブル・フィスト)~

「はい、お願いします・・・・・できる限りの事で構いませんので・・・・・」

深夜、皆さんが寝静まった時間に私は・・・・故郷の方へ定時連絡と共に一つのお願いをしました。


織姫ゆかりさんについての情報提供、です。


少し悪い気も致しますが、しかし・・・・占托の予想に反した事態になったのは事実。少しでも不安因子がある場合は備えておかなければっ・・・・

あ、申し遅れましたっ

私、第五話にしてやっと語り手の役割を担うことが出来ました、この作品のヒロインの月乃ですっ

主人公の宙さんならともかくとして、前の話は織姫さん率高くありませんでしたか?ちょっと心外ですっ・・・・珍しく怒ってますよぉ?ずるいですっ

おっと、本題からずれてしまいましたね・・・・そうそう、織姫さんです。

今の所は宙さんの変わったお友達・・・・・・・・と見ているのですが、その時点で十分異常です。宙さんが女性と関わりを持つなんて・・・・・本当に、本当にあり得ないことなんですよ?

例えるなら、そうですね・・・・・・・・バ●ムートが逆立ちしながら東名高速道路を疾走してるくらい・・・・・・あり得ないですっ

とにかく、絶対に・・・・ぜえええええったいにっ!あり得ないことなんです!

しかも宙さんの方も・・・・何となく・・・・・織姫さんととても仲が良さそうです。

うーん、この先・・・・・・どうしましょうか・・・

・・・・・とりあえず


「寝ましょうか・・・」


と、私は宙さんが(何故か端っこで)寝ているベッドに潜り込みました。

約束があるので、まだ・・・・そういうことはしてませんけどっ


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


月乃がやって来てから数日後・・・・・

その日は忘れ去りたい一日として、この一生に刻まれることになる。

「お~?可愛い転校生ちゃんはど~こだぁ?」

やってきたのは別の階からやってきた、チャラチャラした男子の先輩が数人。名前なんか知らない、俺と最もかけ離れた存在だからな。

可愛い転校生・・・・・といえば、このクラスに該当者は一人しかいないだろう・・・・・・・・・・

すげぇな月乃、お前の噂がすでに他のクラスどころか学年にまで浸透してるぞ。

「お?あの子じゃねぇ?」

「やべぇ・・・・何あの胸、超好みなんですけどぉ~」

今は昼休み、緑川先生は教室にはいないので(まぁ、あの人は居てもこのような事態に対応できないだろうが・・・・)誰も止められない。あの改造制服の中に色んな得物が仕込まれている事を知っているからだ。

俺は午後の授業の小テストの勉強のために席から離れてまで逃げる気は無い。所詮こんな奴らにとって俺は石ころ同然、いないも同義。

「ねぇ~彼女ヒマぁ?」

「今日の夜先輩たちと遊びにいかねぇ?」

・・・・・しかし、これもまた気になる。

いや、月乃がこのチャラ先(チャラチャラした先輩)にホイホイ付いていくかどうかではなく・・・・・・


月乃は俺以外の男とどう接するのだろうか?


今の所、その光景を見たことが無い。

この月乃さん。家に居る時とは打って変わって学校での姿は・・・・のほほんとした天然系美少女。しかも勉強はトップクラス。まさに才色兼備。まぁ、俺にベタベタするところとかは相変わらずだけど・・・・・

とにかく、その高根の花な感じがクラスの男共には手出しできなかったわけだ。

これはこれで貴重な映像かもしれない。


「・・・・・・・・・」


・・・・・・・え?無視ですか?

ウサミミOFF状態の月乃は、顔もいつになく引き締めてる・・・・・・ていうか、ちょっと仏頂面だ。織姫みてぇ

「ねぇねぇ、いいじゃ~ん、遊びに行こうよぉ~」

「お兄ちゃん達が服とか買ってやるからさぁ~」

「・・・・・・・・・」

おぉ、まだ無視か・・・・・怖ぇ。いつものんびりしてそうなコイツがいきなりこんなピリピリすると余計に恐ろしいぞ・・・

「なぁなぁ、返事くらいしてくれよぉ~」

すると、じろりと音がしそうな剣幕で月乃が声を放った。


「消えてください」


・・・・・・・はい?

おいおい、今この子なんて言った?今の言葉、月乃が言わなさそうな言葉ベスト10に入りそうな超無愛想発言だったけど・・・・・・

「え?」

流石のチャラ先も引いたらしい。

「消えてくださいって言ってるんです。あなた達に興味はありません」

「な、は・・・」

引いたっていうか、もう呆然だな。

と、偶然そのチャラ先の一人と目が合ってしまった。

「なんだてめぇ?」

「いや、別に」

やばいやばい、ここに来てなんて流れ弾がっ

「あぁ?馬鹿にしてんのか?睨んでんじゃねぇよ・・・・生意気だなぁ、オイっ!」

「睨んでませんって・・・・・・」

・・・・・こういう時、自分の顔の創りを恨む。「目つきが悪い」と言うのも、俺に友人が居ないことの一つの要因なのだ。そして、このような不良相手には余計に面倒な代物になる。

「後輩のくせに調子こいてんじゃねぇぞ、コラァ!!」

「うわっ!」

ガシャン!!

と、後ろに回り込んだチャラ先が俺の椅子を後ろに引き倒した。そのまま後ろにつんのめって倒れた俺は

ガンッ

「あぐっ!」

思いっきり腹を蹴っ飛ばされる。

「きゃあ!!」

「おい、なんだ!?喧嘩か!?」

段々と野次馬が周りを取り囲んできた。その眼前で

「おい、こいつちょっとシバくか?」

と手に出した黒い箱状の物・・・・・スタンガンだ。

「あぁ、ダメな後輩にはお仕置きが必要だなぁ」


「・・・・・・・・ダメなあんた等に言われたくねぇよ」


あ、しまった。月乃のせいで培われてしまったツッコミ魂が勝手に口を動かしやがったっ!

バチバチと男たちの怒りのようにスタンガンが火花を散らす。

「あぁ!?ぶっ殺すぞテメェ!!!」

そのスタンガンが俺に迫ったとき・・・・・


バキンッ


と鋭い音と共に


スタンガンが、粉々に砕けた。


「は?」

一同唖然。

その例外が、月乃だった・・・・

その顔に、怒りを宿した月乃だ。

あの月乃が、怒っているのだ。

プルプルと拳を震えさせると思いっきり叫ぶ。


「宙さんに、手を出すなあああああああああ!!!!」


その瞬間

「ブベッ!!」

「ぐあっ!?」

二人の先輩が吹き飛んだ。

盛大に弧を描き、教室の中ほどに落下する。無論、1発KO。

「!?」

皆何が起こったか分からない。


月乃は何もしていないのだ。


怒りに震える拳はそのままに、先輩たちの方を向いた瞬間、まるで見えない拳で殴ったように・・・・・先輩達を強烈に吹き飛ばしたのだ。スタンガンのときも、同じだった。

・・・・・・・・見えない拳?まさか

俺の脳裏に月乃が現れた日の夜が思い浮かぶ。

そう、あの時暴走寸前の昴を止めたのは・・・・・・・

俺が思案する中、月乃は最後に残っていた、スタンガンを持った先輩の方を睨みつける。

「ひっ・・・」

チャラ先はバラバラになった得物を握りしめながら後ずさる。

が、もう遅い。


「今後一切、宙さんに手を出さないでください!次やったら、これからする攻撃の2倍お見舞いしますっ!!」


次の瞬間

「ブビエhヴァpバヒンsjhんcsvshvんslぞcv!!?」

訳の分からない悲鳴を上げながら、先輩の体が無数の打撃を喰らう。あれだ、北●百烈拳を喰らってるザコキャラみたいだ。


「二度と、その下品な顔を見せに来ないでくださいっ!!!」


腕を使わずに振りかぶり、見えない拳で止めの一撃を放った月乃は先輩の体を教室の外まで吹き飛ばした。

その後、一同が唖然とする中・・・・・月乃本人は何事も無かったかのように俺の近くに歩み寄ると

「大丈夫ですかっ?お怪我の方は・・・・・」

「あ、あぁ・・・・大丈夫・・・・・・」

普通に心配そうな顔をしてきた。

ちなみに怪我の程度も大したことは無い。このぐらいなら、うちの妹の方がいくらか強力だからな。


この事件の後

程なくして月乃にはある二の名がつけられることになる。


不可視(インビジブル)(フィスト)の宇佐美


この厨二病全開の名と共に、月乃・・・・そして、その親戚というか親密な関係であると思われた俺のことまで・・・・その日の放課後までに学校中に知れ渡ってしまった。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


この学校には、決して立ち入ってはならない魔の教室がある、天文学部の部室だ。


天文学部


遠い宇宙にロマンを抱く者たちが集い、空を見上げ星々を見上げるメルヘンチックな部活・・・・・・・・・・・・・・・・・・のはずだ。

だが我が校の天文学部は、違う。

まず部室の位置がおかしい。普通、天文学部と言えば屋上などが近い最上階に部室があるいイメージがあるだろう。だが我が校の天文学部は


地下室、なのだ。


なぜ学校において空から最もかけ離れた部屋が部室なのだろうか。その時点で普通じゃない。さらに小耳に挟んだ情報だが、地下室横の倉庫に用があったらしい生徒がその部室から聞こえてくるこんな会話を聞いてしまったらしい


「お前ら!今日の活動は熊退治だ!晩飯は熊鍋だぞォおおお!!!」

「「おお~!!」」


ありえん、熊退治をする部活なんて・・・・天文学部じゃなくてもありえない。

また、その部に所属する我が妹、星原昴の日常も挙げられる。

「いやぁ、今日も部活ではしゃぎ過ぎちゃったぁ~」と制服をボロボロにして帰ってくる時があるのだ。天文学部において、制服がボロボロになる活動などあろうか?

・・・・・・・・・・・これらが天文学部が危険である証拠だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ下校中にこんなことを思い出してしまうのだろう。

何かの因果がありそうで怖い。最も関わりたくない部活だと言うのに・・・・・・

「どうしましたか宙さん?顔色が悪いですよ?」

「えっと、少し嫌な考え事をしてただけだ」

「あぁ、日本の政治の将来のことについてですね?」

「俺、そこまで国政に精通してないんだけど・・・・・」

「駄目ですよ!次世代を担う若者が国のことに無関心では、いずれ国が滅びてしまいますっ!」

ずいずいと顔を寄せてくる月乃に・・・・・・・宇宙人に自国のことについて諭されてしまった。

ていうか

「分かった、分かったから・・・・週1でそんくらいのことは考えてやるから顔をそれ以上近づけるな!」

うちの近所は人通りが少ないとはいえ皆無ではないのだ。こんな所、人に見られたくない。

「てか月乃、あの時先輩たち殴ったあれ・・・・・・触手使ったろ?」

「おぉ!正解です!分かってらっしゃったんですねっ!」

・・・・・・・あの事件の後、意識を取り戻した先輩たちは震えながら支離滅裂になりながらも口々にこう証言したらしい。


「すごくモフモフした見えない何かに、思いっきり殴られた」


頭でも打ったのだろうと、先輩たちはそのまま保健室送りになってしまった。

一方月乃は、そもそもどうやって先輩たちを攻撃したかもわからないのでお咎めなしで終わった。ラッキーな奴だな。

「擬態したままでも使えるんですけど・・・・・どうでした?カッコよかったですか?」

そりゃ、カッコよかったと言えばそうとも言えるかもしれないけど・・・・・・

「あのな月乃、学校ってのは暴力に関しちゃ結構うるさいんだ。あの時、先輩たちに非があるとはいえただの喧嘩じゃ済まないことにもなるんだぞ?」

「うぅ、けど・・・・・あのままだと、宙さんがもっと怪我をしそうだったので・・・・・」

・・・・実際、殴られるならまだしも凶器まで出されたらもっと大変なことになっていたかもしれない。腹部の痣だけで済んだのは月乃様々だな。

「ていうか、あんまり宇宙人っぽいことするのは危ないんじゃないのか?控えろよ」

「そうですけど・・・・・つい・・・・・」

まぁ、コイツにはドジっ子の気があるからな。ついカッとなって・・・・ってことなんだろう。てか、俺なんかのためにカッとなってくれたと考えると・・・・少し、恥ずかしい気もするが・・・・

「それに、あんまり腕っ節の方は自信ないんですよ」

「そうなのか?」

「はい、私自身・・・触手以外は結構非力なんです」

「ふぅん・・・・」

確かに、その腕や足はほっそりとしてとても力強そうには見えない。昴の様に引き締まってるわけではなく本当に細いのだ。これじゃあいつみたいにリンゴを片手で握りつぶすことはできないだろう・・・・・

ま、可愛すぎる顔と歳不相応な胸(それに今は擬態されている触手)を除けば・・・・月乃も割と普通の可憐な女子高生っぽく見える。見た目通り・・・・・と言うことなのだろう。

するとどうだろう、第三者にとって今の俺は、女子高生と共に親しそうに話しながら歩いている・・・・・・ごく普通のカップルに見えてしまうのではないのだろうか?

そう考えると妙に恥ずかしくなってきた。く、なんか顔が熱い。

「おや?宙さん、今度は顔が真っ赤になってますよ?」

と月乃が再び不用意に覗き込んできた。

「うわぁ!近けぇって言ってるだろーが!お前は俺の言ったことに従順なのか反抗的なのかどっちなんだよ!?」

「そうですね、ただ縛られるのはまだしも、縛られっぱなしは大変なので勘弁してほしいです」

「誰がそんなことを聞いたか!?」

「この前の夢ですよぉ~・・・やっと全部思い出したんですけど、宙さんったら一週間も私を縛ったままで・・・・・」

「お前の中での俺はどこまで猟奇的な存在なんだ?妄想も大概にしろッ!」

ていうか、思い出すなって言ったよな・・・・・こいつ、やっぱ結構反抗的な奴なのか?

「ですので、現実の方は・・・・そうですね、三日程度に抑えていただければ何とか大丈夫ですっ」

ニコっ

「そこでニコってなる女子が居てたまるかああああ!!!」

「あ、でも食事は口移しでした」

「何でそこだけ甘いんだよ、俺」

「そういうギャップが女子には好感的なんですよ?」

「縛った時点で十分好感度は地獄に落ちてるわっ!」

はぁ、なんかこんなやり取りにも慣れてしまっている自分が居るぞ・・・・・そろそろツッコむだけじゃなく、いなしたりとかしないと体が持たなさそうだ・・・・・・・・・

そう言えば昴とも同じような会話を繰り広げる時があるな、ある意味このようなやり取りは親しい間柄でしか行われない・・・・・・でも俺は友人が皆無だから、強いて言えばコイツは・・・・・


・・・・・・・・・家族


無論、コイツが目指してる嫁的な方向の話じゃない。

父でも母でも兄弟でも姉妹でもない、あるいはそれらすべてに当てはまる、家族。

一つ屋根の下で寝食を共にするうちに、コイツはいつの間にかそんな近い存在になっていたのだ。

人気のない道を歩く俺らの影が長く伸びた・・・・・・・・・瞬間


「宙さんっ!危ない!」


「危ないのはお前の頭の中の俺だろっ・・・うわぁ!」

いつも通り切り返そうとしたが月乃の見えない触手に肩を掴まれ引き寄せられてバランスを崩す。その瞬間


ブンッ!!


と俺の頭があった場所を恐ろしい勢いで回し蹴りが通過する。

そのまま月乃に引っ張られ塀の際まで後退する。顔面に何かモフモフした感触があるが・・・・・・・・・・この際、気にしないで欲しい。俺だって気になりたくない。

とにかく今の状況を確認しなければ、と突如現れた襲撃者を見た。


そこに居たのは、天川高校の制服の上に顔が見えなくなるほど目深にパーカーのフードを被った女子。


すらりと伸びたその足には動きやすそうなスニーカー。身長は・・・・女子の割には高めだ、160中盤はあるだろう・・・・

「何だっお前!」

月乃の・・・・・・・白状するが、胸から顔を引き剥がした俺はその謎の襲撃者に叫ぶ。

「・・・・・・ふぅん、さすがにあいつの兄貴だけはあるか・・・・簡単には当たんねぇな」

フードから僅かに見えた八重歯の口がにやりと笑みを浮かべる。

「っ!?」

兄貴?だと・・・・・どういうことだ?コイツ、昴と何か関係があるのか?

「ま、いいさ・・・・今日の所は、お前の方に用はねぇから、よっ!!」

砲弾の様な速度で距離を詰めた襲撃者は、その勢いを超えるミサイルの様な速度で右手を突き出した。

月乃は俺を庇うように前に立つと、頭だけでギリギリその攻撃をかわし

「やっ!!」

見えない触手・・・・・・自らの通り名(と言っても今日決まったばかりだが)『不可視の拳』でカウンターを放った。

「うおっ!?」

が、あろうことか襲撃者は素早く腕を引き・・・・・・その拳をガードしたのだ!

パンっ!と何かが弾けるような音がしたかと思うと、そいつはそのまま威力を殺すようにバックステップを踏み再び距離を取っていた。

速い、そして完璧な身のこなし・・・・・なんなんだコイツ!?

「なーるほど、これが『不可視の拳』かぁ・・・・・・俺でも速すぎて見えやしねぇ・・・・・・・しかも良い威力だ・・・・腕が痺れちまったぜ」

随分と汚い口調で襲撃者はへらへらと笑っている。

「何者ですかっ!」

と、再び俺を庇うように・・・・・・・思いっきり抱き締めて胸にうずめさせた月乃が言った。てめぇ・・・・シリアスなフリして何してやがる・・・・・・!

と襲撃者は急にケロッとした雰囲気になり

「いやぁ・・・悪い悪い、不意打ちしたのはすまなかった。そのくらい不測の事態に耐えられてくれないと、ウチの部活にはついていけないと思ってさ」

「「・・・・?」」

俺と月乃が訳の分からなさそうな顔をすると

「さてと、実力も申し分なさそうだな・・・・・・星原、みぞれ!出てきていいぞっ」

と路地の死角から出てきたのは・・・・・

「おぉ、さっすがお姉さま!部長と互角にやりあうなんて・・・・・・私のおにぃの奥さんなだけはありますね!」

と目をらんらんと輝かせて歩み寄ってくる我が妹、星原昴。そして

「あの部長の・・・・・・野生の熊やワニを一撃で仕留める攻撃をかわすなんて・・・・・・みぞれ、興味深いですっ・・・・・・」

影の薄そうな、前髪がエロゲの主人公並みに長い・・・・・メガネをかけた霙と呼ばれた女子。

「おい、昴・・・・これってどういう・・・・・」

再び月乃の胸から顔を引き剥がし、今度は戒めにデコピンを3発喰らわせた後にこれらの関係者っぽい昴に事情を問い詰めた。

「う~んと、強いて言えば・・・・・入部テストかな?」

「入部・・・・・テ、スト?」

「そうそう、ウチの部活の活動についていけるかどうか・・・・・部長が直々にテストしたんだよっ!」

ウチの・・・・・部活だと・・・・・・!?

まさか、まさか・・・・・・・・・・!

先程の襲撃者・・・・・二人から部長と呼ばれた女子がフードを取り、ショートカットの髪を軽く一撫ですると

「ちなみに俺が部長の、雪片霰(ゆきひら あられ)だ!以後よろしくっ!」

と言い放った。

待て、待ってくれ!


「不可視の拳の宇佐美、そしてその付属品の星原の兄!ようこそ・・・・・・」


待ってくれええええええええええ!!!!!!


「「「天文学部へ!!!!」」」


・・・・・これ、俺の人生で最初で最後となる・・・・・部活動への入部だった。


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