第一話:セックスができない女
私の名前は、雨宮亜子。もうすぐ二十歳になる。
彼氏は高2の時からずっといる。その彼とは、付き合ってもうすぐ3年目。
卒業するまでは、セックスはしないでおこうと約束していた。
でも、それからそんな話は一回も出ない。…いや、キス以上のことをしていない。
どうして?そう悩んだ時もあった。…でも、原因は私だ。
実は、卒業するまでしないの約束の前に、一回だけ…触れられたことがある。
その時の私は、まだ純粋で、彼の好意ある行為を拒絶してしまった。
…今、思えば、急すぎて驚いただけなのかもしれない。
彼は、私を大切にしてくれている。だから、あんな約束をしてくれた。
そのことには、とても感謝している。
でも、…もうそろそろ、限界を感じて手を出してくれてもいい頃だと思う。
…って、私のせいなのに。私から、誘えたらいいのに。
こんな弱気な私に嫌気が刺す。もう本当に、素直になりたい。
ーーーー今日はこれから、彼と会う予定。
彼の名は、タクト。タクトは、私の都合に合わせて、会ってくれる。
タクトの方が、絶対に忙しい。私は大学。タクトは就職。社会人。
もちろん、飲み会とかもあって、それでも、私のことも忘れずに、最低でも週に1回は会ってくれる。
いつも会うのは、夜。タクトは、就職してからは一人暮らし。
外でご飯食べることも多いけど、タクトの家に行くこともある。
だから、期待してしまう。タクトがエッチなことをしてくれないか。セックスしてくれないか。
…でも、手を出すことすらさえも、ない。好きな彼女が家に来ているのにも関わらず。
ムラムラしないのかな?私、そんなに魅力ないのかな?
私は一度だけ、飲み物に媚薬を混入しようと試みたが、止めた。なんだか、タクトを騙しているみたいで、嫌だった。
ーーーしばらく待つと、タクトがやってきた。いつも通り、タクトは仕事で疲れ果て、笑顔で来た。
「亜子、待たせたな」
笑顔のタクト。愛されているという自覚はある。大切にされているって。
…でも、限界だ。抱かれたい。もっと私を求められたい。
「亜子?どうした?」
黙って俯いているから、心配された。心配されても、嬉しくない。俯いている原因がタクトのせいだからだ。
「…タクトは、何で私としてくれないの?」
「…えっ……?」
「タクトは、何で私とセックスしてくれないの?」
私の顔が一気に顔が赤くなってしまった。タクトの顔も一気に顔が赤くなった。
「…いや、その…逆にいいの?」
良いに決まっている。だって、タクトと私、したくて仕方ない。
「だって…タクトとなら、…したい」
「……あの時、嫌がられたから、そういうこと…嫌いなのかと思っていた。」
確かに私が悪い。拒絶したからだ。でも、私がもう大丈夫だと気がついてほしかった。
「でも、最近、亜子の様子がおかしいから、何でだろう?…って思っていたんだよ。浮気しているのかと思っていたから、安心した。」
タクトから抱きしめられた。優しく…ギュッと抱きしめられた。
「浮気なわけないじゃない!こんなにも、タクトが好きなのに…」
「わかってるよ。…でも、亜子は可愛いから、心配になるんだよっ」
照れたように、あどけなく言う。
「…でも、亜子の答えも聞けたわけだし、行きますか」
「…えっ?どこへ?」
「……ラブホ」
えぇ~?!まさかのいきなり。驚きを隠せなかった。
「急すぎじゃない?ちょっと…まだ、心の準備が……っ」
「俺はこれでも待った。…だから、もう…いい?」
艶めいていて、色気のある声で耳元で囁かれた。私の胸はドキッとした。
「…わかった。いいよっ。覚悟する…」
タクトは私の手を引いて、歩き出した。




