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† 赤ずきん1 〜 大神さんの憂鬱

† 赤ずきん †



昔々……ある所に人形のように綺麗な少女がいました。

金色の美しい髪が本当はあるのですが、いつも紅色のずきんで隠れています。

少女のなまえは、

アプリコット・シエル・ド・ファントオルゴール・スカーレット……

という長い長い立派な名前なのですが、長いので皆、


“赤ずきん”という名前で呼んでいます。

おや?赤ずきんがまた愚痴を愚痴ってますよ。


「ったく。おかしいんじゃないの?いつもいつも……

 紅色のずきんかぶってるから“赤ずきん”って……直球過ぎるでしょ。」


赤ずきんは茶色い綺麗な皮のローファーをはきました。

お母様にまた、おばあさまの為においしい料理を持っていけと言われてしまったそうです。


「……料理が苦手なお母様の料理なんて……食べれるのかな……」


すこしバックの中をのぞくと……

油でぎとぎとのバターをぬったカビだらけのかちかちフランスパンと、

ラベルもすり切れて読めないぐらい古い、

酸っぱい臭いが空けても無いのにつーんとかおるワインが入っています。


「こんな物食べたら……死ぬんじゃね?」


そんな事を思いつつ赤ずきんは進むことにしました。


紫色の綺麗なスミレが咲く道を赤ずきんが歩いていると、

茶色いオオカミのコスプレを着た青年が赤ずきんの前へ立ちふさがりました。

ここらでは有名なとっても優しいコスプレ好きの大神さんです。


「おやお嬢ちゃん……どうしたんだい?」

「ああ、おばあさまの為にこの核兵器を(核兵器と書いて料理と読む)持っていくの。」

「ああそれなら、このスミレを摘んでお行きよ。」

「じゃあ貴方も手伝ってよ。」

「え!?…………俺は……俺はいいよ……」

「……手伝ってくれないの?」


赤ずきんの緋色の大きな瞳が潤んでいくのを大神さんは見過ごせませんでした。

一緒にスミレを摘むことにしました。


そして半刻後……


「ありがとう。おかげでこんなに摘めたわ。お礼に……はい。」

「え……何?これ……」


赤ずきんから手渡されたのはカビだらけのパンにどろどろのバターが乗っている物です。

とても食べれるようなものではありません。


「え……これを食べるの?」

「うん。」


迷う事数秒。大神さんはその核兵器を食べることにしました。

赤ずきんの不純物がない笑顔に負けてしまったのです。


「ほぶっっっっっっっ!!!!!」

「え!!??」


大神さんは走ってどこかに行ってしまいました。

残った赤ずきんは、


「やっぱあれ食べれないよね。良かった毒味してもらって。」


……とにこにこ笑いながらおばあさまのうちの方角へ、

スキップであるて行きました。


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