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中学二年生  作者: 多摩屋
中学生編
6/33

第6話

 ♪ぉぉ男には~

  ♪自分のぉ~

   ♪世界がぁ~あるぅ

    ♪例えるならー

     ♪空を掛けるぅ

      ♪一筋の流れ星ぃ~



     『かずおさーーーん♪』




「違うから。 ルパン The Thirdだし」




 ――――ここは現実世界。


 あ、斑鳩飛燕の方じゃなくて田中和男の方ね。




 「いやー、この歌って和男の事を唄ってるみたいだなぁと思ってさー」



 は?



「知ってんだから、あんたの妄想癖。 こないだのオナニー事件もどうせあんたの妄想でハァハァしてたんでしょ?」




「忘れろよ! 治りかけた傷を抉るような真似すんなよっ!」




「ねぇねぇ、『空を掛ける一筋の流れ星』って言われても、例えになってなくない? それってどんな世界よ?」




「聞けよっ、無視すんなよ!」





 ――――政姉ぇは……。


 僕と違って超絶美人で、学校でもファンクラブがあるぐらい人気があって、誰からも好かれる完璧なじょ「んな訳ないじゃん」……せい……。




「ちょっと! せっかくあんたの真似してナレーション入れてんのに邪魔しないでよ!」




「勝手に僕が言ったことにしないでくれるかな。 何だよ『超絶美人』って。 母さんにそっくりで一重、だんごっ鼻、天パーじゃんか」



「うっさい。 若干14歳のオナニストが」



「だから、やめろよっ!」



「ねぇねぇ、何この『羊皮紙』って書いてあるチラシ」




「かっ、勝手に触んなよっ!」




 あれには俺が考えた設定が――――。



「なになに――コレ何て読むんだろ……はんはととびつばめ? 16歳。この世界には有り得ない特殊な力を持っている……っぷぷ」



「ちょ! 返せよっ」




 俺より身長が10センチ高いクソ女は羊皮……チラシを高い高いし、俺の恥ずかし設定を声に出して読み上げる。


 チクショゥ、お茶の水博士みたいな鼻してる癖に。





「……10の封印? 何コレ、よく分かんないけど名前1個しか決まってないじゃん。 えっと、ごくてん……で合ってる?」



 合ってる、あってるからやめて、とめて。


「や、やめ……」グスッ……。


 ヤバい、泣けてきた。




「えーっと、登場人物は……一方的にライバル認定されてる幻術師のしゅくぎ?こおりあめ? 時空魔術師のルーファウスじじい? 幼なじみの神堂マリアぁ? 異世界の奴隷サラ=ブライトぉ? ハァ? 何このネーミングセンス。 キテるね、あんた」




「や、やめ……て」


 か、顔が熱い、もげる、何かがもげる……。





 ふと何かを思い付いたかのようにドスンと俺のベッドに座り、ニヤリと笑う天パーのどブス。





「よし! おねーちゃんが人肌脱ごう!」






 ――――はぃ?



「ちょっとアンタ、実の姉に対してよこしまな感情抱いてないでしょうね……。」




 身体を抱き締め小刻みに震えるフリをするクソブス天パー。 漢字読めねぇくせに。




「バカいわないでよ……。 な、何するの?」




「次回! 脚本:あたし! 演出:和男!」




 次回?




「タイトル――文化祭!」






 うわー、ベタキター。






姉は高校一年生。

ブス? 好みによるかと。

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