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中学二年生  作者: 多摩屋
ニート編
32/33

第14話


 あれから黙々とスライム共を狩り続けた。

 HPが少ないが故に休みながらだったけれども、200匹以上は狩ったと思う。


 このゲームは倒したモンスターの死骸は光の粒になって消えるなんてことはないらしい。スライムの死骸は何て言うか、水風船を割った後みたいな感じ。



 ナイフをグサーッ。

 中の水分がビシャーッ。

 目玉、口、薄皮がデロデロー。



 目玉より口部分がグロい。何だか分からない感じがグロい。



 後から来たプレイヤー達は200匹分の残骸を見て「なんだコレは」って感じで呆然としてた。


 だが後悔はしていない。

 していないったらしていない。



 その結果がこれだ。


 ―――――――――――――――――――


 旅人


 せいべつ:おとこ

 レベル:3

 HP:26

 MP:0


 E:聖なるナイフ

 E:くさりかたびら

 E:うろこの盾

 E:木のぼうし

 E:皮のブーツ


 ちから:8

 すばやさ:9

 たいりょく:8

 かしこさ:14

 うんのよさ:19

 かっこよさ:0

 さいだいHP:26

 さいだいMP:0

 こうげき力:27

 しゅび力:42

 EX:743


 しょうごう1:ブサイク

 (取得条件:複数の人間に「こいつ不細工だなー」と思われる)

 (効果:かっこよさが常時−10)


 しょうごう2:きちくげどう

 (取得条件:一般的に見て、酷い事をする)

 (効果:NPC好感度が常時−20)



 とくぎ:なし

 じゅもん:なし


 ―――――――――――――――――――



 各パラメータがアナウンス通り、微妙に上がった程度。


 特技、呪文を一切覚えず。



 鬼畜外道呼ばわり。

 取得条件、ざっくりだなぁ、オイ!





 面白いゲームですね。

 ははっ。もうどうでもいい。



 スライム平原ではこれ以上のレベリングは望めないと判断し、次の狩場へ行くことにする。決して他のプレイヤーの目やスライム達の憎悪の目が辛くなった訳ではない。


 ないったらない。



 その前に村に戻って薬草とか買って来ましたよっと。


 このゲーム、座れば少しずつ体力が回復するので、スライム平原ごときでは薬草なんぞ必要ない。



 ただね、次の狩場は少し強くなるみたいだしー、もしもの事考えたら準備しとくべきだしー、もし死んだら稼いだ金半分になっちゃうしー。



 だもんで、薬草とか諸々ご購入。



 薬草×5

 毒消し草×3

 聖水×3

 キメラの翼×2



 買ったくだりは割愛な!

 特にドラマティックな展開ないしな!


 でもね、買ったはいいんだけど、どうやって使うのさ、コレ。誰も教えちゃくれません。聞く勇気もありません。



 なのでレッツトライ!


 オーソドックスに使うとなると……。

 食べる、だよな。





《薬草》


 むしゃむしゃ、もしゃもしゃ。




 ヴぇぉ、オヴェェェ、ゴルェェブェ、

 びちゃびちゃびちゃ。



 青臭ぇ。とても食えたもんじゃない。

 気持ち悪くなってきた。



『ヒエンイカルガは毒を受けた!』



 毒草!?



『嘘です』



 おい、コラ! お前、こないだのアナウンスだろ!? 真面目に仕事しろや!



 …………返事がない。


 クソッ、次だ次!




《毒消し草》


 むしゃむしゃ、もしゃもしゃ。




 ヴぇぉ、オヴェェェ、ゴルェェブェ、

 びちゃびちゃびちゃ。



 苦ぇ。とても食えたもんじゃない。

 気持ち悪くなってきた。


 はい、予想通りー。




《聖水》


 ごくごく。




 え、ポカリ?


 なにこれ、冗談で飲んでみたらポカリの味がするんだけど。


 これは夏場にぴったりだ。

 振り撒けばモンスターも寄ってこないし、美味しいし、何か得した気分。




《キメラの翼》


 むしゃむしゃ、もしゃもしゃ。




 グブェフ……ッ?フゥォァァォォ!?

 ゴブルゥェェ!!!




『キメラの翼の攻撃!


 ヒエンイカルガは23のダメージを受けた!』



 これは……マジだ。

 これも冗談で口に入れたら口の中でキメラの翼が燃え出して、ルーラ的な不思議な力が僕の口から凄い勢いで吹き出した。


 誰かが見てたらゴジラみたいに見えたかも知れん。



 口内大火傷。

 前歯が全部吹っ飛んだ。


 てか瀕死状態。

 枠の色がオレンジになってる状態やー。


 痛い、めちゃ痛い。



 回復を、薬草で回復だ……。



 はむはむ、もしゃもしゃ。




 ヴぇぉ、オヴェェェ、ゴルェェブェ、

 びちゃびちゃびちゃ。



 青臭ぇ。


 無理だ。てか歯がないから噛めない。




「ちょっとアンタ、大丈夫!?」




 た、たす、たすけ……て。



 意識が無くなる寸前、女の子のような人影を見て、僕の意識はなくなった。




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