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中学二年生  作者: 多摩屋
ニート編
19/33

第1話

『VRMMO -DURACUE-

 ヴァーチャルリアリティーをあなたに』



 学校にも行ってないし、やることの無い僕は日課であるネットサーフィンにて偶然おかしなバナー広告を見つけた。


 ヴァーチャルリアリティー?VRMMO?

 ネット小説とかで題材にされるアレ?



 2012年現在であんなSF技術があるとは到底思えない。でも、興味はあるのでクリック、クリック。


 すると真っ暗な画面が映し出され、映画のエンドロールのように文字が下から上へと流れていく。


――――――――――――――――――――


≪注意≫

このHPには先程のバナーを通してでなければ来ることが出来ませんので、ブックマークをされても意味がありません。







チャンスは


今こうして


バナーを


クリックし


このHPに


来れた


この


瞬間のみ。


もう


二度と


このHPに


来る


ことは


出来ません。


あなたは


ヴァーチャルの


世界で


冒険を


したくは


ありませんか?


興味が


ある方は


今すぐ


以下の


場所へ


お越し


下さい。




――――――――――――――――――――



 エンドロールの最後には地図が貼ってあり、偶然にも自宅から歩いて行ける程の距離だった。



 本当に偶然かぁ?

 拉致られる予感がビンビンするんだが。



 気が付いたら将軍マンセーの国とか有り得ないっすわ。



 だから無視。

 見なかったことにします。



 さあ寝よう。

 昨日は『ふぁんたじあーす』のボス討伐に参加して徹夜したから凄く眠いんだもの。


 しかし一般職ってマゾいのな。

 英雄がいかに優れた職だったか今になって良く分かる。あー勿体ないことしたわー。



 ま、後の祭りだ。

 さぁ寝よう。すぐ寝よう。















 Zzz
















 Zzzzz
















 Zzzzzzz









 嘘です。

 狸寝入りです。



 だってこのまま本当に行かないで、










 寝ちゃいました。



 ―完―







 とか有り得ないじゃんかYO!



 そしたらまた暫く放置で、


『この連載小説は未完了のまま約3ヶ月以上の間、更新されていません』とか言われちゃうだろうがっ!



 だから行きますよ。ええ。

 行きますったら。



 その前に。


 久しぶりに風呂に入ろう。

 髪も洗う。おぉ、汚さゆえに泡が立たん。

 ボディーソープで洗っちまえ。


 なんとなく、おちんちんも念入りに。



 うーん、さっぱり。

 脱衣所の鏡の前に立つ。


 うわー、ないわー。

 何この糞デブキモオタ。

 我ながら本当にきしょい。



 素っ裸のまま2階へ上がり、自室へ。


 余は王様だぞー。

 裸の王様であるぞー。


 糞親、糞姉は会社、学校だろうから家には居ない。

 だから恥ずかしげもなく、こんなこともしちゃう。






 さて、服は以前店員に見立ててもらったヤツがその辺に――――。



 お、あった。

 …………変な匂いするけど別にいいか。


 よいしょ、よいしょ。




 わははは。入りませーん。

 超キツーい。





 えーっと、もう僕みたいな糞デブキモオタが家を出るまでの描写なんて必要なくね?


 ちんこ念入りに洗った描写なんて誰得なんだよって話。


 全面カーット。

















「――――ここは一体……」




 Wow!急展開過ぎるYO☆NE!



 でもいいの。

 このぐらいテンポ良くしないと僕の場合、全然先に進まないんだもの。




 で、「ここは一体」なんて大仰に言ったけど別になんてことない普通のビルでした。中に入るとフツーの会社のフツーの受付嬢が居て、その受付嬢は僕を見るなり表情が険しくなった。



 すいませんねぇ、不細工で。

 糞デブキモオタで。


 僕が吸っている空気一緒に吸いたくはないでしょうが、ほんの少しだけ我慢してねー。



 てな感じで心の中は余裕綽々だけど、現実はこんな感じ。



 目線は足元。

 おどおどして、どうしたら良いか分からず受付の半径2メートルをウロウロ。


 完全に不審者。




「あの、ご用件が御座いましたらこちらで承りますが……」




 婦女子に話し掛けるなぞ、余には不可能である。

 そこの貴様、大義である。大義であるぞー。




「ぶ、ぶぁ、ぶ」



「ぶ?(不細工?)」



「ぶぁーちゃるり、ありちー」




 よく頑張った、僕。

 もう帰ろう。



 受付嬢の視線が怖くて退却を考えていたその時、受付嬢の表情が一変した。




「DURACUE参加者の方ですね?」




 ゴミ屑を見るような目だった受付嬢の表情は満面の笑顔に変わっていた。あんまり美人じゃないからアレだけど。あ、でも10点満点で5点はあげてもいいかなって感じ。普通。凄く普通。


 こんなこと考えているのばれたら「あんたなんかに言われたくないわよ!」ってマジ切れされるだろうなー。




「あの、DURACUE参加者の方ですよね?」



「あ、あい」





 ――――愛、それはかけがえのないもの。


 愛なくして人は生きてはいけない。


 そう、人は皆愛を求め彷徨う旅人なんだ。






 違う違う。

 普通に「はい」って言うつもりが何故か変換されただけです。はい。





「では、そちらのエレベーターで7階に上がって頂き、降りて左にある7Bの部屋へ行って頂けますか?」







 いやです。










 ―完―















 嘘でーす。

 これで終わったら今までの振り、なんなのさーってなっちゃうもんねー。





 さて、僕はというと受付嬢にお辞儀すらせず、そそくさとエレベーターに乗っちゃいました。


 コミュニケーション?

 なにそれー?超ウケるんですけどー。





 7階到着。

 えーっと、左に進んで……7B、7Bは。















 7Bが見つからないので帰りました。




 ―完―








 てんどんですね。

 分かりますか。分かって頂けますか。

 もうこのくだり止めるのでイライラしないでね☆




 ね?なかなか話進まないでしょ?

 これが田中和男という男なのですよ。



 だから続きは次回にするー。


 またねー。


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