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中学二年生  作者: 多摩屋
中学生編
17/33

第17話

 おひさしぶりです。

 斑鳩飛燕(笑)こと、田中和男です。


 時が経つのは早いもので、僕は今や受験生です。



 進学先は聖オフィーリア学院……な訳ない。そんな学校聞いたことないし。


 怖いこわい。



 地元の公立高校を受験……となるはずが、父親の仕事の都合で群馬県に引っ越すことになったので、そっちの公立高校を受験することに。



 父さんからそのことを聞いて、最初に浮かんだのが――――






『高校デビュー」





 誰も今の僕を知らない学校。

 新たな人間関係。

 ほんとのわたし、デビュー。



 やばい。鼻血でそう。



 と、言いつつも僕は冷静です。

 入学してみたら実は男子校でヤンキーだらけとか有り得ない。

 そんなオチいらん。


 とりあえず1個フラグをへし折っておく。


 ハッ、いかんいかん。


「フラグ折る」とか言うからヲタとか言われちゃうんだ。

 気を付けよう。





 さてさて、事前に僕の学力で入れそうな高校をチェック。



 うん、普通の共学ですな。

 お、女子の制服かわいい。

 あ、商業科がある。てことは女子多い?

 おぉ、男女比率が6:4で女子が多い!



 しかーし、今のままの僕で新生活を始めれば間違いなく苛められるに決まってる。



 自分を過信しちゃだめ。

 僕はダメ男、僕はダメ男。

 のび太以下、のび太以下。



 なので、努力をしてみました。

 不細工なのは自覚してるし、そこはどうにもならないけど、それ以外の部分で。



 フケが汚い、髪の毛が脂でテカテカしてるとか姉ちゃんに言われ続けたから毎日ちゃんとシャンプーしてるし、髪型はちょっと流行遅れかもだけどソフトモヒカンにしてみた。茶髪は調子に乗りすぎなので、黒のまま。マットタイプのワックスを薄くのばして毛先を摘まむ。最近ではこんなのも慣れたものだ。



 ブツブツのお肌は毎日洗顔、乳液、化粧水でお手入れしたら凄くきれいになった。多少ニキビ跡はあるけど、どうにか普通の範疇に居ると思う。


 あと、ぷよぷよボディの改善のために毎日夜中にジョギングをした。昼間だと誰かに見られたら絶対にバカにされるし。


 腕立て、腹筋もやった。最初は5回すら出来なかったけど、今では50回は出来るようになった。筋肉質とは言えないけど、腕や脚に筋が見えるくらいには引き締まった。



 制服だとそれなりだけど、私服超だせぇとか言われたくないので、勇気を出して服屋の店員さんに見立ててもらったりもした。



 高校に入学してから話題に乗り遅れないために音楽番組なんかも観るようにした。なんちゃら48なんぞ聴かない。断じて。


 よく分からない洋楽もレディー・ガガから始めてみた。



「ガガ、いいよね~」



 話題を振る練習も欠かさない。

 壁に向かって喋る姿がキモいと姉ちゃんに言われたけど無視。


 いや、敢えて言おう。

 お前の方がずっとイケてないと。


 殴られました。



 そして今では「No Music, No Life」とfacebookにつぶやいたりもする。まだfacebookに友達いないけどね。

 mixiにもいないけどね。




 いやー頑張った。超頑張った。


 そうそう、今の学校でも僕の扱いが少し変わってきたのだ。受験で苛める暇がないという理由もあるだろうけど、いじめは減ってきたし、たまに話し掛けられることもある。



 ――――だからと言ってこの学校に未練などない。




 少しビジュアルが変わっただけで話し掛けてくる地味グループ男子死ね。少しビジュアルが変わっているのにいまだ無視するイケてるグループの男子と女子ども死ね。僕の変化にすら気付かない、というか2次元にしか興味のない地味グループの腐女子死ね。




 ふぅ。


 とにかく、入試に落ちちゃ洒落にならんので、勉強頑張る。プラス、父さんな何度も「いきなり引っ越し取り止めとかないよね?」と念を押す。



 ないそうだ。

 フラグをへし折りまく……ごふんげふん。



 よし、順調順調。







 …………はい?


『ふぁんたじあーす』はどうしたかって?


 んなもんヤメたに決まってるでしょう。

 くだらない仮想世界よりもリア充が大事。


 いかん、まただ。

  何が「リア充」だ。

 ヲタが抜けきらない。気を付けよう。




『英雄』?


 ひでお?

 誰それ。知らんがな。


 超うそー。ぱふぱふー。

 ジョブの英雄の事ですよねぇ?

 きっぱりとヤメてから数ヵ月が経っているので、知らない人がやってるんじゃないですかぁ?


 自分、正直、そんなの、どうでもいいっすわ、先輩。






 しば?


 なんすか『しば』って。



 しば、しば、芝? 柴、しヴぁ……シヴァ。




 …………あー居たなぁそんなの。

 あんなキモいのどうでもいいっすわ、先輩。



 前に会って以来、一切連絡を取らないようにしてるし、メールも完全無視。


 もう二度と会わないな。



 あー気分悪いわー。

 どうしてくれんのよ、先パーイ。



 まぁいいや、気分切り替えて。







 次回!


『中学二年生』あらため『高校一年生』が始まるよ!



 冴えない男がイケてる男子へと変貌していくシンデレラストーリー!



 乞うご期待!




こいつ死ねばいいのに。

書いててイライラするわ。

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