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中学二年生  作者: 多摩屋
中学生編
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第1話

 俺の名前は斑鳩飛燕(いかるがひえん)16歳。

 普段はセントオフィーリア学院 高等部に通っている普通の高校二年生だ。あくまで、普段はだけど。


 あることをきっかけに俺は謎の組織に狙われることになってしまった。やつらは俺の『目立たずひっそりと暮らしたい』というささやかな俺の希望も無視して、隙あらば『異世界』とやらに引きずり込もうとする。


 その理由は俺に特殊な力があるからだ。

 この能力が覚醒したのは俺の今は亡き両親のおか「カズちゃん、ごはん出来たわよー」げ……なのだ……。



 クソッ。



 魔力で生成した羊皮紙にこれまでの記録をしようって時に邪魔が入ったぜ。

 まさか組織の連中が俺の隠れ家にまで式神を飛ばしてくるとは思わなかった。幻術使いの宿木氷雨(やどりぎひさめ)だな。

 奴の幻術は対象のトラウマを抉り出すよう「冷めちゃうから早く降りてきなさーい」な……鬼畜な術で……。



 だまれ、ババァ。



 とにかく――――

 氷雨の幻術など俺には効かん。両親の死は確かに辛かったが、暖かな思い出はこの胸にしっかりとある。

 厳しくも愛情を持って剣術や体術を教えてくれた父。俺が10歳の誕生日に突如覚醒した力に振り回されてエネルギーストームを巻き起こした時に傷だらけになりながらも俺を優しく抱き締めてくれた母。


 この想いがあればこんな幻じゅ「早くしなさい! 和男! あんたがオムライス食べたいって言ったんでしょうが!」……つ。



「今行くってば!」


 クソッ、氷雨のやつ腕をあげ…… ドダダダッ たな……。まさかここまで追いつ ガチャリ「なによ! その口の利き方は!」



「ちょ、勝手に僕の部屋に入ってこないでよ!」


「親に向かってなんて口の利き方するの! いくら反抗期だからってお母さん許さないよ!」


「もう出てってよ!」


「あんた今日、夕飯抜きだからね! あと前に言ってたゲームソフトも無しだから」


「え!? なんでよ! 関係ないで……ちょ、待ってよ!」



 ガチャリ、バタン。





 ――――く、氷雨の奴、もしや禁術を……?

 いや、まさか写輪眼か!? ああ、あああ、駄目だ、怒りが身体を蝕んでいく……。



 グゥゥ、ぐあぁ……、クソッ、クソッ、くそくそくそくそぉぉぉぉぉ






 クラスでモンハン持ってねぇの俺だけなのにぃぃぃぃぃ!








特殊な力、最後まで分からずじまい。

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