#5
朝起きたのは、八時だった。
両親は、もう出かけていた。テーブルには、メモが置かれていた。
『今日は、純也君の両親と旅行へ行ってきまーす。ちゃんと純也君と仲良くしててよ!』
今日は、純也の両親と一緒に旅行に行っている。
だから純也と今日だけ一緒に暮らすことになった。
私は、純也が来る前に朝風呂に入った。
「はぁ、どうして昨日見ちゃったんだろう・・・」
昨日のことを後悔する。
“夏奈のことは別になんとも思ってない・・・”
この言葉がどうしても頭から離れない。
私は、顔をシャワーに当てた。忘れたくて・・・、関係ないと思いたくて・・・。
風呂から出たら、もう九時になっていた。
リビングに行き、ソファに座っていると玄関のチャイムが鳴った。
「はーい、純?」
「ああ」
あちらの暗い返事に私はビクビクした。
昨日、私たちが見ていたことがばれてしまったのではないだろうか、と。
鍵を開けるとやはり純也がいた。
私服にマフラーをしていた。髪の毛はいつも通りの髪型。
「お、おはよ・・・入って」
招き入れる私。それに頷く純也。
どんどん緊張と複雑さが増していく。
「なんでいきなり旅行なんかに行っちまうんだろうな・・・」
「そうだね・・・」
純也の問いかけに私はただ一言しか返せなかった。
いつの間にか午後三時を過ぎていた。
「あ、もう三時じゃん」
「ほんとだ・・・」
少しの会話に沈黙。この静かな空気が異様に長かった。
「なあ、夏奈」
私は、肩を上げた。ビックリした私を見て純也は、顔を変えた。
「夏奈、今日俺が喋るたんびにビクビクしてね?」
その言葉にすでにビクビクしている。
「そ、そんなことないよ・・・」
「なんか隠してるだろ?見ればわかる・・・幼馴染みなんだから」
私は、心臓の音が聞こえそうなほど騒いでいた。
変なところで終わっちゃったかもしれません。
すみません。