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3.月乃の場合
「うっさい、そんなもん無いわよ」
月乃は、最近ずっとモヤモヤ苛々していた。原因は、既に判明している。それは、受験である。
「今は、もう無理」
受験が終わらない限り、この苛立ちは消えない。
「あ、そうだよね。ごめん」
お父さんは、事あるごとにどうだと聞いてくるし、お母さんは、触らぬ髪に祟りなしみたいな感じで、これもまた怒りが増す。
「そうだ。これ、美味しかったから。じゃあ」
五月が差し出してきたのは、有名店のチョコレート。
妹は、昔から無理に絡んでこず、適度な距離で近づいてくる。まだ小3なのに私より出来た子である。
「ありがと」
礼を伝えれば、はにかむような顔をした。
うん、ウチの妹は可愛い。ウチの妹しか勝たん。
「ちょっと意味わからんかったけど、受験終わったら五月の好きなケーキでも買ってくるか」
五月の知りたい事はつたわっていなかったが、月乃の気持ちは少し浮上したのは間違いなかった。
月乃のきらきらした物
なし




