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私のきらきらは  作者: 花咲


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2.母、美紗恵の場合

「うわ!急に背後に立たないでよぉ。びっくりするじゃない!」


 北村 美紗恵(40歳)は、やっと最後の洗濯物を引き出しにしまって、珈琲でも飲もうかしらと向きを変えれば、そこには次女の五月が立っていたのだ。


「結構まえから居たよ」


 昔から主張が激しい長女とは真逆の次女は、気配が非常に薄いのだ。


「そう。で、どうしたの?」


 何か文句を言いに来たわけではないだろう。そういえば、先週、お知らせのプリントに教材費がどうとかって書かれていたわ。普段は銀行から引き落とされのに、たまに現金での場合があるので、その事かしら?


「学校からは特にないしで全く関係ない話なんだけど。お母さんってきらきらしたモノある?」


きらきら?


「えっ、物って事?」

「事でもいいよ」


きらきら…宝石?


「光ってはないけど」


 お母さんは、何か勘違いしている気がする。


「多分、考えてるのが違うか」

「はい、これ!」


 言い終わる前に、両手に箱がのせられた。


「コレがそうなの?」

「そう。開けてみて」


 落としたら嫌なので、その場に座り、少し黄色になっている紙の箱を開ければ、また箱だ。


 灰色の箱を開けると、そこには白い真珠のネックレスとピアス、その中でも一番大きい真珠がついた銀色の指輪。


「お母さんの、えーっと五月のおばあちゃんが持っていたロングネックレスを短くして作り変えて貰ったの」


 お母さんの、お母さん。つまり幸恵おばあちゃんの事だ。


「デパートで購入した品らしいの。ずっとしまいっぱなしでね。あ、これあげる。余ったパールで2本作ったの」


 どうやら、お姉ちゃんには、もう渡しているらしい。


「月乃は乱暴な所があるから、最近渡したのよ。五月は、物を大切に使うじゃない?だがら早いかもしれないけど」


 差し出されたブレスレットを両手で受け取った。

「汗に弱いから使ったら、柔らかい布で拭くといいかも」

「それ、あってるの?」

「おばあちゃんが言ってたのよ」


 正しいかは、怪しい。おばあちゃんは、去年に死んでしまった。


だから、聞けない。


「そうなんだ。ありがとう」


 とりあえずネットで調べよう。



✢〜✢〜✢



「綺麗だなぁ」


 私の腕には、まだサイズが少し緩かったけど、五月は嬉しかった。


「あ、きらきらした物、大事な物には、何か思い出とかがあるのか」


 まだ二人にしか聞いていないけど、二人とも昔の話をしていた。しかも、嬉しそうで、少し寂しそう。


「私には、そういうのは、まだないなぁ」





 お母さんのきらきらした物。


 おばあちゃんから貰ってアレンジしたパールのネックレスやピアスに指輪。



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