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No.0005 事実と選択
「コピー元は社内端末で、しかも閲覧権限が部長クラス・・・」
花園声が少し震えていた。
「私のせいで未来を棒に振るかもしれない、それを承知しているの?」
凛が問いかけると花園は迷わず頷いた。
「正しいと思った方を選びます、先輩も同じでしょ・・・」
その言葉に凛は頷いた。
「あなたね、少し常識外れだけど嫌いじゃない」
「それ誉め言葉として受理してもいいですか?」
会話の裏でUSBから抽出されたログがプリントされる。
その印刷された中には上層部の名前とタイムスタンプ、誰が・いつ・どの端末で、書き換えたか、すべてが記されていた。
これをどう取り扱うか、凛は部屋の前で足を止めた。
「告発するにはリスクがお互いに伴う」
「分かってる・・・だけど」
凛はゆっくりドアを開けた。
「このまま、『暗黙の奴隷』に従って沈下するなんて、真っ平ごめんよ」
部屋にいた部長と視線が合う。
・・・・その後
「来ると思っていたよ、一ノ瀬君」と言った。