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間章 ある日の生徒会


「う……むにゃ」


 生徒会長室の寝室にてヴェルフェはむくりと半身を起こし、寝ぼけまなこを擦る。

 ナイトキャップを被ったまま、寝室を出るとペットの白いフクロウが「ホーホー」と朝の挨拶を。


「元気そうじゃな。それ朝食じゃ」


 エサを手に乗せ、食べさせてやる。食べ終えたのを確認してから衣装箪笥へ。

 学園の制服やワイシャツ、ネクタイを手に取り、下着を身に着けたのちに袖を通す。

 部屋をでる前に鏡で身だしなみを確認し、うむと頷く。


「では行ってくるぞ」


 フクロウが「行ってらっしゃい」とでも言うように鳴くと扉がぱたりと閉まった。


 ◇◆◇


 ジリリリと目覚まし時計が鳴り、布団から腕を伸ばして止める。

 そのまま布団から半身を起こし、んんっと伸びをし、次にふわあっとあくびをひとつ。

 ベッドから下りてドレッサーに腰かけたリリアはブラシを手に取って髪を()く。

 次いでパジャマを脱ぎ、下着姿となるとその上にワイシャツに袖を通し、ネクタイを締めると最後に制服を身に着けた。


「うん! 今日も頑張りましょう!」


 むんっと自らを奮い立たせるようにして扉を開けた。


 ◇◆◇


 ベッド上でテンはぱちりと目を開き、むくりと起きる。そして時計に目をやった。


「今日も時間通りネ」


 伝統衣装に似たパジャマから制服に身を包み、最後にお椀に似た帽子を被る。

 部屋を出る前に壁にかけられた鏡を覗こうと――


「ア」


 見れば額に貼られた札がボロボロになりかけている。机に向かい、引き出しから黒塗りの箱を取り出す。

 蓋を開ければそこには色とりどりの札が数枚並んでいた。その中から同じ札を取り出し、額に貼り付けてから古い札を捨てる。

 そしてふたたび鏡の前に立つ。


「うン。これで完璧だヨ」


 新たに札を貼り直したテンは扉を開けて外へと出た。


 ◇◆◇


「ヴィクトリアサマ。 ジカンデス。 オキテクダサイ」

「ん〜あと5分……」


 そのまま布団を頭まで被った。クリスが創造主である彼女をふたたび起こしにかかる。


「イケマセン。ジカンドオリニシナイト オクレマス」


 布団を引き剥がすようにし、ヴィクトリアの身体の下へ両腕を差し込むとそのままかつぎ上げる形となった。

 そして椅子に座らせ、ブラシを手に取ると髪を梳かしはじめる。次にいつもの髪型である三つ編みのセッティングへと取りかかった。


「こんなことまで出来るなんてやっぱボクって天才だね☆ そう思うでしょ?」


 頭を動かしてクリスのほうを。


「ハイ。ヴィクトリアサマハ テンサイデス」 

 

 うんうんと頷くとセッティングが終わったのか、今度はパシャマへと手を伸ばす。


「ちょ、ちょっと! それぐらいボクでもできるよっ!」

「ワタシニマカセテクダサイ」

「ちょっ! まっ!」


 すばやく脱がされ、あられもない下着姿となる。


「だからそれぐらいは……!」


 問答無用でワイシャツを着せられ、ネクタイ、最後に上着が羽織られた。

 これで身支度は完成である。


「ソレデハ イッテラッシャイマセ。ノチホド セイトカイシツデ オアイシマショウ」

「う、うん。行ってくるね……」


 クリスがぺこりと頭を下げ、ヴィクトリアは廊下へと出た。


改良の余地ありだね……。


 ◇◆◇


「んが……もう朝か」


 ごしごしと目を擦りながらベッドから降りる。そのまま両腕を上に伸ばして伸びをひとつ。

 すぐに目の前の洗面台で顔を洗った。次いで鼻毛が出てないかチェックし、ニキビの有無の確認も。


「よし」


 ハンガーに掛けた制服に手を伸ばし、支度を整える。最後にネクタイを締め、鏡で確認を。

 うんと頷いてから部屋を出た。


 ◇◆◇


 終業の(チャイム)が鳴り、生徒全員が帰り支度を始める。


「次の授業までちゃんと復習しとくんやでー」


 担任のシルヴィーが煙管(きせる)を咥え、ぷかりと煙を吐く。


たまにはあそこに顔を出そうかね。


 コツコツと足音を響かせながら廊下を歩き、やがて目的地の前に着いた。

 コンコンとノックしてから「入るでー」とドアを開ける。


「ひっさしぶりやなぁ」

「あ、シルせんせー」

「久しぶりじゃのう。先生」


 煙管を手に生徒会室へ入ると、いつもの面々が出迎えた。ただひとりを除いては。


「なんやのこれ?」

「クリスって言うんだよっ。ボクが造った人造人間さ☆」

「ハジメマシテ。シルヴィーセンセイ」


 メイド服に身を包んだクリスがぺこりと頭を下げる。


「へぇーようできてるやん。ぱっと見は人間と変わらへんね」


 つんつんとほっぺをつついてみるが、人間と変わらない肌触りだ。


「ココもなかなかのもんやね♡」


 両手で胸を揉みしだくようにしたので真壁が生唾を飲み込む。

 

「お、おお……」


 さらによく見ようとしたところへテンが頭をはたく。


「何すんだよ!」

「そろそろ会議が始まりますよ。真壁さん」

「まったくお主はしょうがないやつじゃな……時間になったから始めるとするぞ」


 その場にいる全員がこくりと頷く。

 クリスが茶の入ったカップを載せたトレーを手にして一同に配っていく。


「よし。さて、本日の議題じゃが――」


 その日もパンデモニウム女学園生徒会は大わらわだ。


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