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18話 それぞれの決意 ヴィクトリアの場合


 生徒会招集の翌日。


「なにか役に立つものって言ってもなぁ……」


 馬車の手配を終え、自室兼実験室に戻ったヴィクトリアはため息をつく。

 椅子に腰掛け、そのまま机にもたれる。


「まあ……武器で言ったらボウガンくらいは作れるけどさ」

 

 幸い、材料は豊富に揃っているのですぐにでも作れる。ちらりと実験室の奥のほうを。

 ごぅんごぅんと音を立てるパイプが張り巡らされている通路の向こうには作業台が見えた。

 椅子から立ち上がり、作業台のほうへと。台の上には白いシーツが被せられたモノが――

 シーツを取って露わになったそれを見る。


「ごめんもう少し待ってて。旅から帰ってきたら完成させるから……」


 ふたたびシーツを被せ、次に製図台のほうへ。

 椅子に腰掛け、ペンを手に取って机に付属されているアームを動かす。

 まずはボウガンの設計図だ。アームに付いた定規を動かしながら線を引き、紙面にボウガンの形状が形作られていく。


「……作用点と力点を考えると、ここに負担がかかりやすいから……いや、それより強度を上げないと……」


 ぶつぶつとつぶやきながら線を描いては消し、また新たな線が引かれていく。


 十数分後。最後の線を引き終え、全体を見ながらチェックし、うんと頷く。


「できたっ! あとはこれを基にして作成してと」


 椅子から立ち上がり、素材や工具が乱雑に並んだ棚のほうへ向かう。

 工具箱を手に取り、手頃な素材を棚から取り出していく。必要な素材を抱えて机に戻ると図面を机上に広げ、傍らに工具箱を置いた。

 

「さて、準備はOK。あとはこの天才美少女発明家ヴィクトリアの腕の見せどころだよっ」

 

 額のゴーグルを下ろし、にっと笑う。


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