表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
230/231

230話 平穏な時間は瞬く間に

 それから先は、驚くほど時間の進みが早く感じた。



 エン達が早めに帰らないといけない、という事から始まって。

 竜という強い魔力の持ち主を長く滞在させるのはやはりあまり良くないらしく、本来ゲートを繋ぐ予定だったタイミングでの帰還となった。

 なんだか久々の再会だったのにいいように使っただけの感じで悪い気がしたが、エンの「その子が望んでやった事」という言葉、なによりこうして一緒にいるだけでリラックスしてるストラトスフィアを見て、俺が無暗に引きずるのも違うか、と割り切る事にした。


 ロロはといえば、オロチ戦前と何ら変わりのない、いつもの見慣れたサイズのロロだった。

 爪がエグくなった分、床の方が心配になったが、そういえばアパート丸ごと身内が買い取ってたし大丈夫…なのか…?

 ただロロとしては、知らない奴が俺に馴れ馴れしくしてるのが不服の様子だった。



 オロチ戦の時に高濃度魔力の症状が出てたショウヤは、始業式の時にはすっかり元気になって来てて。

 ショウヤのあのロボの召喚術みたいなのは、あの場が魔力に満ちた空間だったからこそできた事で、今はもう使えないらしい。

 俺みたいに数日魔界に滞在してみたらとか、また何らかの要因で場所の魔力が高まったらとか、色々と連鎖して思う事はあったが、あの1回で「直に関われてない」という不満は解消されたようで。

 むしろ気が乗ってしまった以上、明穏寺院の書物からの怪異分布図を完成させるまで止まれない、と意気込んでいた。



 一方、事態を作り出した元凶の位置情報ゲーム、ゴーストファインダーはというと。

 もうこの地域はターゲットから外れたらしく、今度は別の知らない地域の名前をレイドボス予告でよく見るようになった。

 この辺りが全く指定されなくなった訳ではないが、わざわざ俺まで話が来るには至ってない。

 平和に越したものはないとは思うものの、やはりどうしても寂しさはある。


 これまでの忙しさになれてしまったせいで、特に変わった事が起こらない日常は加速して進んでる気がして。



 さほど時間が経った感覚の無いまま、3月の末を迎えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ