220話 当日を迎え①
そして当日、集合の現地。
腕の傷は、まぁ動くのに問題ない程度には治った。
戦力が3勢力の連合というのは聞いていた。
けど、実際に知っていたのはその一端でしかなかった、と思い知る。
まず目立ったのが、派手な色合いの髪や武装の一団。
なんとなく見覚えはある。丁度1年くらい前、魔界に迷い込んだ時だ。あっちの住民は、カラフルな髪色が普通らしい。
そういえばナナノハの擬態姿も、こっちでは黒髪だが魔界で会った時は水色だったな。
逆側には、服装こそ普通だが、着ているのは狐や鼬の獣人たちも混じってる。東妖衆かその関係者だろう。
むしろ見た目で普通の人間と変わらないようなひともいるのが、逆に不気味さもある。
…いや、無暗にそう思うのも失礼か。
そしてその間に陣取ってるのは、和服の一団。見るからに陰陽師だ。
人数こそ他より少ないが、封印術に関しては彼らが専門。他の2勢力が陰陽師の補佐をするという形の都合、今回の指揮担当だそうだ。
山を丸ごと取り囲む、大がかりな術となる。その為の道具も持ち込まれている。
「よぉ、やっと来たか。」
そう呼ぶ声は、ショウヤのものだ。
「指示は預かってきてる。オレと組んで封印術の補助だ、護衛頼むぜ。」