195話 さらなる向上と①
そしてハロウィンの当日。
自分の割り当てはナナノハから聞いた…が、その前に隣の部屋から会議が聞こえていた。
各所に指定されたレイド地点に魔界のメンバー総動員に加え、東妖衆にも援護を依頼すると言ってた。
現地戦力である俺にも、当然ながら話は回ってきた。要所からやや離れた場所の掃討だ。
もう慣れてきた掃討戦だ。ロロが走り回っておびき出した小妖怪を、その誘い先である俺が迎え討つ。
とはいえ更新された点もある。新規武器、銃だ。
当然ながら実銃ではない。お試しとして100均で買ったおもちゃの銃に、弾として魔力を込めただけだが、あながち馬鹿にできない。キリから模倣銃を借りた経験も役に立ってるのだろう。
弾とはいっても明確な形状イメージがある訳ではなく、漠然とした魔力溜まり。それが引き金のカチッという作りの安い音と共に放たれるのは、どちらかといえば光線銃の様相。拳銃の見た目から散弾銃のように弾が散るのも、見る人によってはとやかく言われそうだ。
威力もぶっちゃけ大した事は無い。けど雑魚を散らす程度なら十分な威力だし、範囲が平面的なハルバードとは比べるまでもない
ロロが誘導してきた一団、これも以前はロロとの共同で片付けていたが、今は魔力散弾の一射で殆ど片付く。それを耐えた数匹だけロロが喰い、次の獲物へと向かう。
それに加え、俺自身も別途動く余裕がある。ハルバードと違い小さい武器は林間の戦闘には合ってるし、大振りなアクションが不要な分憑装召喚も不要。
確かに魔力を撃ちまくるのは消耗するが、憑装召喚を維持するのに使う魔力と比べれば、そこまで消費が激しいという訳でもない。
ロロからの探知情報をもとに、ロロとは別の場所にある集団を掃除したところで、ロロの追い込みの合図。ちょっとずつ慣れてきた手順ですぐに魔力を装填し、同じように誘導された一団を一掃する。
これまでの倍くらい早く進んでる。ちょとしんどさは来てるが、残されたノルマはもう少ない。
一気に片付けて早く休もう、と意気込み次の反応の集団へと向かう。