191話 トリック・オア・トリート②
後日、指示を受けて現地に向かっていた。
ゴーストファインダーのレイドに指定された場所ではないが、それ以外での暴動も発生し始めている。だからハロウィン当日までに厄介な事にならないよう、要所をチェックしておきたいとの事だ。
既に事が起こってたら鎮圧しないとだし、暴動に何らかの原因があるなら突き止めなければならない。
例によってメインターゲット以外にも多数の情報がある場所、警戒の為にロロは連れ歩いている。
けどロロが愛想など持ち合わせている訳が無く、沈黙の道中。
探知範囲内に注意する程の反応は無い。こうしてロロを召喚してる時の方が、より明確に意思が伝わる、この際だ。
「なぁ、ロロにとって、やっぱりハルルの事が絶対なのか?」
中々わざわざ聞くタイミングが無かった話題。大体の察しはついていても、本人から直接確認をしておきたい。
ロロの一瞥、それと共に意志の共有で伝わる肯定の意思。
「こうして協力してくれるのも、間接的にハルルの為、なんだよな?」
ハルルと同じ目的を取り手伝い、前線に出る事で多少なりともハルルを護る事にもなる。
そのロロの活動理由は、伝わってくる肯定の意思から今も変わらないらしい。
「俺の為、ではないんだよな?」
無反応、というよりは意図して答えを返さないようにしている様子。
「直接打ち負かした訳でもない俺に使われるのは、やっぱり嫌か?」
同じような無視の意思。鬱陶しいとか思われてる?
なんとなく予想は付く答えだったし、行動の指標が分かってる分、信用はできる。今はそれで十分か。
とか考えてると、ロロからの呼びかけ、不審な反応。
駆け出したロロを中心とした、索敵に意識を集中する。
移動してる、少し距離がある。ロロを追って、道から離れ林へと潜っていく。