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183話 修学旅行中の波乱③

「それで、どういう挑戦状だったんだ?」

 話の間を見て、キリに聞く。

「ざっくり言や攻城戦みたいなのだとさ。

 あそこに居る敵将を討てばこっちの勝ち、だそうだ。」

 と言いキリが指さした先を、目で追う。

 参道をまっすぐ行った先にある本殿…のさらに向こう、空中にある建造物?

 いや違う。この世界だと見えにくいが、山の上だ。茂みから突き出すようにある高台、最初の射撃の角度とも合う。

黄泉津(よみつ)寺? 何でこんな近くに?」

 今一度パンフレットの広域の地図も確認したが、もっと違う方向にあるはずだし、こんなに近くにあるはずもない。

「そういうもんだ幽世は。妖力の世界だから、妖力の密度で現実世界とズレが生じて、比較すると『歪んでる』。」

「…そういうもの、なのか。」

 となるとこの地図に頼る訳にはいかないか、とパンフレットを鞄にしまい込む。


「で、だ。改めて戦力を確認させてくれ。」

 そのキリの問いに、思考を落ち着けてから答える。

「大体はエンパイアハントと同じだ。

 ハルバード近接と召喚の──」

 言いながら順番に創り出す。先端部が斧から進化した、正真正銘ハルバードと呼べる形状の得物。

 そして、ロロも実体を成す、が。

「…呪いの意思をどうのこうのってのは聞いたが、普段からこうなのか?」

 キリがこぼす疑問の言葉。そう言われても当然だろう、出てきたロロは最初の頃のようにふて寝をし始めた。

 その理由を、意志の共有で問いただしてみる。

「…ハルルの助けにならない戦いには気が乗らないってさ。」

「なんだそれ。要は戦力外か。」

「そうなる、かな。

 あとは試したい事がひとつあるけど、それが戦力になるかは不明だ。」

 このまま放置しても仕方ない、とロロを戻しながら言葉を続ける。

「それでキリの方は…確か幻影を映し出すとか言ってたっけ?」

「表世界ではな。でも幽世なら事情は変わる。」

 幽世では違う? 確か幽世って実体と霊体がが逆…まさか。


 話の途中、発砲の音。キリが示した場所より遥かに近い、本体と別に兵でもいるのか?

 キリが咄嗟に作り出した槍で弾く。そのまま槍はロングバレルの銃となり、来た弾道をなぞるように反撃の一射。

 その向かう先、近くの建物の屋根の上。小さな人影のようなものを貫き、木の葉となって散り去る。

「…大概の事はできる。

 他に聞く事はあるか?」

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