181話 修学旅行中の波乱①
翌日、今日は班ごとでの自由行動の日だ。
行程はモチベの高かったショウヤに一任した。
で来たのが狛犬像のある神社「了束神社」。自分は調べるまで名前も知らなかった神社ではあるが、それでもそこそこ大きく、人も多い。
…そのショウヤだが、ハルルの案内であっちやこっちや。今も見える場所にこそいるが、話し声は届かない距離。
昨日の違和感をもとに魔力に探りを入れてみると、誰かが居た残り香のようなものはある…気がする。
やっぱり避けられてるのだろうか? …いや、考えてみれば、それは自意識過剰か。
学校近くの神社は人が殆ど来なくて、暇した狐たちが絡んできたが、ここにその道理は通じないだろう。魔力的な存在だって来るだろうし、今だって紛れて気付いてないだけで居るのかもしれない。
キリならその辺の事情知ってたりしないだろうか? 今はロロを召喚する訳にいかない以上、魔力探知も圧倒的にキリの方が上手だし。
…キリもキリでどこ行った?
いや、スマホにメッセージ来てるな。「すぐ戻る」、みんな好き勝手すぎやしないか? それぞれ気になる分野が違うのは分かるけども。
移動前の待ち合わせの時間と場所は決めてあるんだ、こっちもこっちで好き勝手させてもらう。
となるとさっきから気になってる、異質な一筋。
声…ではないはずだけど、何故かそう認識する魔力の…波長?
階段でいう所の「誰かが呼ぶ声」と言われるであろうそれに、向かってみる事にした。