17話 ハルルの手伝い④
次の標的は、すぐに目星がついた。
テーブルの上に置かれている小さな板。
スマホだ。
「ハルル、次いくぞ」
「あ、はい!」
洗濯機の前からハルルが離れこっち側、リビングへ。
既に充電は開始させてある。そろそろ起動できるはずだ。
「一応確認するが…使った事は?」
「いえ、まだ全然。」
代行すれば…とも一瞬思ったが、問題はそこではない。
重要なのは「本人が使える状態」にする事だ。
「日本語が読めないっていうのは、全くなのか?」
「いえ、難しい文字が無くて、対比表と時間があればどうにか……。」
「そうか、ならどうにかなりそう……か?」
まずは起動してみる。
初期設定は済まされており、デフォルト壁紙のホーム画面が表示される。
「これ…似たのを見た事あります。」
「……この画面を?」
「魔法道具の機能の内で、確か。向きはこれを横にしたものでしたが。」
こういうUIって似…てもおかしくはなさそうか。分かり易いし便利だし。
「じゃあもしかして使い方分かる、のか?」
「分からないアイコンはありますが、おそらくは?」
スマホを手渡し、ハルルが暫く見つめる。
そして地図アプリを起動し、確信した様子。
「そうそう、こんな感じで地図を見れるやつですね!」
予想に反しピンチ操作まで使い、使いこなしている。
「だけどこれと、便箋のアイコンは手紙でしょうか? それ以外のが何を示しているかは、よく分かりません。
……もしかしてこれで文通もできるのでしょうか?」
「文通どころか、大体の事はできる必須ツールだ。
なるべく早く使いこなせるようにしたいところだな。」