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149話 試行錯誤③

 自宅に帰り一息つき。

 ざっくりだけどプランの方向性は見えた。試してみたい事も浮かんだ。

 ただ具体的なイメージが曖昧で、形にできるには至らない。あの一晩だけの記憶では、状態の把握が足りない。

 どうしたものか、と困り始めたとこころに、鳴るインターホン。

 誰だろうと思いながら出る玄関。そこで待っていたのはソウクロウだった。

「貴様を拘束しに来た。」


 挨拶も過程もすっ飛ばした、出会いがしらの一言。

 呆気(あっけ)にとられ、正常な思考に戻るまで数秒、その言葉の真意にたどり着くまでさらに数秒を要した。

「…そうか、今日で1ヶ月か。」

 元の日付がうろ覚え。けど確か先月の同じくらいの日付が呪いを受けた日、満月の日だった。

「今宵は満月だ。(くだん)の呪いが活性化する危険性が高いのだろう?」

「あぁ、助かる。」

 解決の兆しは見えたとはいえ、すぐに済むかは分からない。それまでの一時的な対処は必要なもの。

 …とはいえもうちょっとこう、言い方とか話の段取りとか、こう……。

「して、この建物は空き部屋も好きに使えると聞いたが…この自室でいいか?」

「いや、空き部屋で頼む。」

 ここだと物を壊したりしかねないし、何より自室で縛られるのは流石に切なくなりそうだった。



 ナナノハに確認し、自室と逆端の空き部屋へ。大人しく両手両足を縄で縛られるという中々できない経験。

 ソウクロウは玄関側で待機してくれるとの事。扉を挟んでいて直接見える場所ではないが、存在を意識すると、なんだか居心地の悪さがある。

 …しかし夜まで中途半端に時間がある。壊してはいけないからとスマホを自室に置いてきたのを、ちょっとだけ後悔。


 やがて窓の外が暗くなり始めていき。自分の場所からは見えないが、おそらく満月が昇ってることだろう。

 合図とでもいうように、全身に痛みが走りはじめた。

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