140話 連戦④
傷口が焼けるように痛む。痛みが根を張るように広がっていく。
息苦しい。吐きそう。毒って受けるとこんな感じなのかな…?
こういう時は毒消しアイテム…いや…何か喰って……。
まずはあれにしよう。純粋な力の塊。
一丁前に抵抗しよる。槍を自慢げに振って、大物になった気でいやがる。
だが、のろまだ。振りの隙間から懐に入り、捕らえるのはたやすい。
首元に爪を立て、食いこませながら押し倒す。槍を持つ手には足で一踏みくれてやる。
傷口から芳醇な香りが吹き出す。それでも逃げようともがきやばる。
ならば、動きやまぬままいただく事にする。活きがいいのはいい事だ。
ほおばってみると、あぁ、土みたいな味だ。最高。
でも足りない。満漢全席ならお冷だ。
近くにある、力の形の躯。残してるなんてもったいない。
この際、質は問わん。贅沢は言ってはいられない。
少し気が抜けて淡泊。この際仕方なし。希薄な血肉が喉を潤す。
…誰だ、補給の邪魔をするのは。
まぁいい、食うのは多ければ多いほどいい。こんな経年劣化より、あっちの方がうまそうだ。
小粒なのはさほどにもない。そんなものより本丸だ。
少々数が多いが、突き抜けてしまえばいい。
そうすれば、多少は空腹も紛れるだろう。