14話 ハルルの手伝い①
日曜の昼過ぎ。
今週もハルルとバス停で待ち合わせだ。
ただ今回は「仕事じゃないけど個人的に手伝ってほしい」との事。
キリの件は一区切りついたが、口止めされた手前、一旦保留としておく。
話すとしても一度本人とコンタクトを取ってからだ。
しばらくして、ハルルがやってくる。
現地へ移動しながら、今回の話を。
「それで、今日は一体何を?」
「いくらか支給物資が借り宿にあるのですが、使い方が分からなくて……。」
借り宿…こっちでの自宅の事か?
ってちょっとまて。
「そういうのはもうちょっとこう、慎重にというか、こう……。」
「…何かこちらのルールに反するのでしょうか?」
「いや、は大丈夫ではあるんだけど、あまり好ましくないというか……。
信用できる相手だとしても、恋愛的な勘違いさせる事にも繋がっちゃうだろうし。
俺はまぁ事情知ってるし、まだ分かるからいいけどさ。」
「なるほど、慣習的なものですか。留意します。」
「向こうの世界じゃ男女混合部屋も普通の事なのか?」
「一般的…かどうかは分からない話ですが、冒険者として活動していた時は、パーティ単位で部屋を貸し与えられてました。
寝床は個室の所もありましたが、そちらは少数のようでしたね。」
平然と職業として「冒険者」が出るの、なんだか不思議な感覚だ。
そんな話をしてる間に、大きな交差点を2つ曲がり小道に入り──
「あれ、これって……。」
自分もまだこの辺に詳しいという訳でもない。
だけどここだけは、間違える訳がない。
たどり着いたのは、俺も自宅として借りてるアパートだった。