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131話 密集地①

 ナナノハに丁度いいかもしれない相手として紹介した相手、ショウヤ。

 ちょっとした巻き込まれで怪異とか魔界の事をちょっと知っただけで別に術とか使えない、自分以上に普通の「こっちの世界の一般人」。

 だからよりフラットな目線で、ナナノハの要求に応えられるだろう。そういう目論見だった。


 その事について聞いた結果、返ってきたのは洪水のような早口だった。

「まず『平穏に暮らしたいAI兵器』って属性が強いよね。昔からよくあるネタらしいけど、それだけ扱われるだけの良さっていうか。

 見た目は完全に人間なのも、本来なら異質な存在が『わざわざ人間に寄せてくれてる』って考え方でむしろアリ派。

 で、そんだけ似せてる中で、たまに会話の中でも時折生物としての基準を欠く少しズレた視点が垣間見える、無自覚なやつだよね、あれ。」

「つまり好印象だった、って事でいいんだよな…?」

「そういう擬態相手である人間に寄せようとしてくれるのが『良さ』なんだよ。」



「えっ、そんな勝手に取っていいものなんですか!?」

 一方、テーブルの向かい側。

 流れる皿を取るキリを見て、ハルルが驚く。

「そういうもんなんだよ、回転寿司ってのは。」


 話のついでに折角だしと、4人で回転寿司。

 実家付近のは回転レーン撤廃されたが、ここは今も存続してる店だ。

「あ、その味噌ラーメン取って。」

「おっけ。」

 レーン側席の役目、ショウヤに一品目を受け渡す。

 初手でラーメン?とは思ったが、なるほど、そういうのもアリか。

 キリもえび天握りから入ってるし、早くもかなりフリーダムな卓上になってる。


「で、ハルルはいつも通り俺と同じでいいか?」

「はい、選定お願いします!」

 さてどうしようか、と思ったところで。

「そうだ、ハルルって生魚は行けるのか??」

「初挑戦です!」

「そっか、じゃあ……。」

 レーンの中から、2皿セットで流れてるのを探す。

 端末から注文してもいいが、最初くらいは待たずにいきたい。

 流れの上流の席だ、その条件を満たすものは多い。

 その中でぱっと目についた一品。美しいピンクの輝き、サーモンだ。

 なんかのサイトでの寿司人気投票でも1位だった見覚えもあるし、回転寿司といえば、と言ってもいいだろう。


 一皿をハルルに渡し、自分の見真似でハルルも醤油をかけ。

 ハルルの箸の扱いも慣れたもので、まだ慎重さは見受けられるが、危なげはなく口まで運ぶ。


 瞬間、神妙な表情。

 そしてしばらく味わったのちに、ぽつりと一言。

「なるほど、これが異国情緒……。」

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