表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/231

130話 追加メンバー②

 買い物を済ませ、帰り道。

 …また、なにやらこの辺りでは見ない人影。ただ、今度は見覚え自体はある。

 あんな目立つ白狐の人、忘れる訳が無い。この間オカルト研究同好会で対面した、アイナってやつだ。

 けど、何でこの場所に?

 とりあえず今は関わりたくない相手だ。どうにかこっそりと──


「あー! お前あの時の!」

 …やっぱり素通りできなかったか。

「声でけーよこっちのセリフだよ何でこんなとこに居るんだよ。」

 などと言ってる間に、距離を詰められて。

「ってんな事より!

 あのオカ研の奴話になんねーの。だから代わりにお前が情報よこしやがれ!」

 どうやらあの後、ソウクロウがうまくあしらって済んだらしい。

 でまぁ流れ弾というか、あの場に居た事による遅延被弾というか。


 …キリの話からするに、大本の東妖衆的には至って真面目な案件なのだろう。

 けどこいつ個人として動かすのは事態がこじれそうだし、そういう事はソウクロウに一任するためにも、この場はうまい事流したい。

 こいつを介して何かするくらいなら、キリに頼んで取り次いでもらう方が確実だろうし。

「悪いけど、俺急いでるから。」

「に・が・さ・ねーぞぉ。さぁ言え! どうせなんかやべー情報隠し持ってんだろ!」

 だめだ先回りされて簡単には通してくれない。ため息ののち、言葉を返す。


「わかったわかった。で、具体的に何が聞きたいんだ?」

「決まってんだろ、この辺の事だよ!」

「具体的に。」

「それは、えっと…色々!」

 ソウクロウとのやりとりを思い出し、もしかしたらとは思ったが、シンプルな押しに弱いんだなこいつ。


 からかうのは程々に、話が通じそうな状態になったしここで思案。

 自分の判断で流せない情報もある。そこに触れられると、返答に困る。

 なら、こっちから誘導をかけてやれば。

「例えばほら、何者か、とかさ。」

「そうだそれだ! そいやまだ名前も聞いてねーじゃんか!

 何者なんだよお前!」

 …分かれば御しやすいのは、まぁ助かるところか。

「俺はユート、妖術師…ってやつになるのかな。

 さぁ次はお前の番だ。」

「そ、そうだな、名乗られた以上は……。

 古塚 相奈(こづか あいな)、東妖衆小野里組…の見習いだ。」

「…見習いなんてあるんだな。」

「そーなんだよ! だからこの初任務、しくるわけにはいかねーんだよ!」


「で、結局ここで何をしてたわけ?」

 一周して、最初に気になった事を。

「それが、えーっとだな……。

 …道に迷ったんだよ。だから案内しろ!」

「って言われても、どこに行きたいのかが分かんないんだよこっちは。」

「じゃー勝手についてく!」

 そう言い、今度は俺のすぐ後ろに回り込む。



 そこから先は静かなもので。

 あえて回り道してどこかで目的地に引っかかれば、と思ったがそうもいかず。

 そんな途中、ふと思う嫌な予感。

 そしてそれは、到着と共に確定となった。

「あー! そうそうここだよ!

 じゃ、あたしはここで。じゃーな!」

 そう言い駆けて行った先は、うちのアパートの空室だった一室だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ