表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/231

13話 身近なファンタジー⑤

 見た目の上では、エルフ以上にファンタジー的な存在。

 なのに、それを知った今は「最初からずっとそうだった」ように思っている。

 いや、実際そうだったのだろう。だけど思い出そうとするほど記憶が混乱していく。狐につままれるとはまさにこういう状態だろう。相手は狸だが。

 一瞬吹いた強い風に吹かれ揺れる尻尾に、つい目が向かう。

「…今分かった、って顔だな」

 そう言うキリは、ちょっと呆れた様子だった。


「で、改めて聞くが。

 何か用なの?」

 頼まれて、と言おうと思ったが、今の状況を作ったのは自分だ。

 ただ頼まれただけにしては、自分はあまりにも乗り気だった。

 その根源を辿ると──

「…強いて言えば好奇心、かなぁ。

 『そういう存在』の事、最近知ったばっかりで。」

「なるほど。で、結果には満足?」

 なんだかんだで当初の目標は達した状態ではある。

 だけど、そうと分かると更に気になる事は出てきてしまう。

「じゃあ俺が気付いてなかっただけで、他にも…?」

「まぁ、いるだろうな。ただうちは偶然で見かけた事はまだあんま──

 ってそうじゃなくて!」

 一度区切りを置き、キリが続ける。

「…まぁ、思うところがないならいいや。この事内緒にさえしてくれりゃ。」

 そう言い、駅の方へと引き返していく。

「なんだ、まだ他にこの辺に用事でもあんのか?」

 一息ついて、冷静な思考が戻ってくる。

「…悪い、隠し事詮索して。」

「いーよ別に。うちも100%隠し通せるとは思ってなかったし、たまたまその日が今日だってだけで。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ