126話 渦巻く変化②
「ちわー! オカ研ってここですかー!?」
来たのは白い体毛の…狐?
なんにせよ、明らかにオカルト側のやつだった。
白い狐っていうのはまだ分かる。神社関係とか位が高いのがそうなのは分かるし、実際の動物の種としても確かそういうのもいるし。
けど薄桃色ロングヘアーってのはどうなんだ? 遺伝子とかそういうの、どうなってんだよ。
「そうだが…何者だ?」
「いやさー、オカルト研究同好会なんてあるんなら情報あんじゃないかなーって。研究してるんでしょ? なんか。」
「何者だと聞いているんだが?」
「何者って、どう見ても通りオカルト研究同好会を探してる一般生徒なんですケド!?」
話に割り込む余裕が無いまま、ソウクロウがヒトガタを浮かし臨戦態勢に入る。
「…少々冷静になってもらう必要があるようだな。」
「うーわ、すーぐそーやって実力行使に走るんだ?」
そう言いながらもあちらも手のひらに火の玉を浮かべ、臨戦態勢。
止めるべきか…? 今の自分なら多少はできるだろう。
いや寧ろ関係者としてソウクロウ側に付くべきか? 怪しさは否定できないし。
…客観的な怪しさならソウクロウも大概か。けどソウクロウの言動の一貫性は見て知ってる。
今は正当性よりも事態の収拾の為に──
「うわ、まじであいつもいんじゃん。」
流れを止めたのはさらなる介入者、キリだった。
その目線は乱入者の狐ではなく、ソウクロウを指してるようで、ソウクロウが言葉を返す。
「お前は…確か2年前に観察したな。
偶然人に紛れる妖を見かけて、何をしでかすつもりだ、と。」
「んな人聞きの悪い事を。」
「『人』ではないだろう?」
「悪かったな、人でなしで。」
キリの皮肉は通用してない様子で、ソウクロウが返す。
「いや、言動に敵意が無いのは以前で分かった。
だがこのタイミング、もしそいつの関係者とあらば、話を聞かねばならんな。」